狂わせたのはアナタ【沖田･土方】

二話 ページ4

目を瞑ると思い出すのはたった一つの光景


神楽と総悟がキスをしていたあの日の公園の影


ひっそりと会っている様子はまるで逢瀬を思わせる


二人とも愛おしい人を見ている目


その時私の心にヒビが入った


友達と彼氏に裏切られて出来たヒビ


私は何かの間違いだ、そう思い込もうとした


だけど、何度かその光景を見るうちにヒビは大きくなり、ついには私の心は砕け散った


苦しいとかじゃない


むしろ感情なんてあったもんじゃなかった


ただただ好きなのは私だけだったんだと、何故か冷静な頭で理解した


その日の夜、私は着物で夜の街をさまよった


ただ何もかも忘れたかった


真選組の事も総悟のことも何もかも……


ただ一時だけ全ての感情を消し去りたい、そう思った


そして私は後悔した


私の感情とは裏腹に綺麗にそこにある月を見上げていると私は後ろから数人の男に襲われた


壊れた私は抵抗もせずされること全てを受け入れてしまった


全てが終わる頃には感情さえも抜け落ちたような気分


ボロボロになった着物でとぼとぼと屯所に戻る


運良く皆寝静まっている。誰にも会わずに部屋に戻れる


そう思った


？｢おい、A！その格好どうしたんだよ！｣


あ｢トシ……｣


そこで私はやっと涙を流したんだ


壊れたと思っていた心は悲鳴をあげた


私はトシに抱きついた


か細く、消え入りそうな声で…


｢助けて｣


と……


それからは早かった


私の姿を見てある程度察したトシは私と行為に及んだ


総悟の事で精神が参っていた所に起きたこの事件


私とトシがこんな事していたって総悟に責められる義理はない


そう思って今も続いている

三話→←一話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す