狂わせたのはアナタ【沖田･土方】

二十六話 ページ29

｢A｣


そう私の名を呼んだのは________


あ｢神楽…｣


何を考えてるかわからない目で私を見つめる


その目は急に変わり、いつもの神楽の笑顔に戻る


神｢退院したアルな！銀ちゃんと話してたアルか？｣


あ｢うん、そうだよ。少し用があったから｣


へぇー、とさほど興味の無さそうな返事


帰って資料の手伝いしなきゃだな、入院中何もしてなかったし


そう思って神楽に、じゃあね、と言って立ち去ろうとした


神｢待つアル｣


そう言いながら私の腕を掴んだ神楽


あ｢どうしたの？｣


そう聞くとその手には力が籠る


爪がくい込んで痛い


何も言わない神楽の手を振りほどこうとすると、神楽は言った


神｢Aは……くそサドのことが本当に好きアルか？｣


私の顔をのぞき込みながらそう聞く


なんでそんなことを……


神楽には関係ないじゃない


私が好きだと言っても、もう浮気に加担してる神楽には何も届かないじゃない


そんな嫌な感情が再び湧いてくる


あ｢どうしたの？今日の神楽、おかしいよ｣


私は神楽の問いに答えず、神楽の手を無理やり引き剥がしてその場を去った


無理やり手を退けたせいで少し皮が向けて血が出ている


でも……


そんなことよりも去り際の神楽の顔が離れない









なんでアンタがそんな辛そうな顔してんのよ……

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