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side kawamura





また朝が来た。








数回瞬きをして、今日も生きなければならないと考えた。


柊が来るんだっけ。

カーテンを開けながら昨日のことを思いだす。




外は生憎の雨。

嫌な湿気が僕のくせっ毛をさらに酷くさせて、加えて頭痛までしてきた。


気分が悪い。






それでも柊が来るからとそれなりに準備をする。

適当に着替えて、気の向かない食事をとって、薬を飲んで。




朝ごはんは正直食べたくなかったけど、そうでもしないと薬が飲めないと思ってむりやり胃に詰め込んだから、軽く吐き気がした。




雨は一向にあがる気配がない。
むしろ強くなっている。



昨日の夕焼けが赤黒かったのは、今日雨が降る前兆だったのか。


さすがにこの雨じゃ柊も遅れるか、もしくは来ないだろうな。









そう思っていたのに、柊はお昼すぎにちゃんと来てくれた。

傘があまり意味をなさなかったようで、パーカーがぐっしょり濡れている。









「来ないと思った」







思ったより弱々しい声が漏れて、どんだけ縋ってんだよ、と自嘲したくなる。


それなのに柊は、にぱっと笑って「意地でも来ますよ」なんて言う。


無理して来なくてもいいのに。








部屋に入れてとりあえず自分の服を貸すことにした。



風邪をひくよりマシでしょ、とタオルと一緒に押し付けると柊はへこへこしながら受け取る。

「着替えておいで」と脱衣所に押し込もうとした時、あ、と小さく声を上げた。







『そうだ、河村さんこれ、USB』

「ああ…オフィスに置きっぱなしにしてたやつだ。ありがとう」








びしょ濡れのパーカーのポケットからはい、と渡されたUSB。


その時触れた柊の手が、思ったより冷たくて驚く。


本当に風邪をひきそうだ。


早く着替えてくれともう一度背中を押したが、柊はくるりと振り向いて、今度はいたずらっ子のような笑みを浮かべる。








『河村さん、外、行きませんか?』
「…は?」

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あんころ - こんにちは、すごく文の雰囲気が素敵で、引き込まれました…!!ヒイラギさんのペースで更新されるのを楽しみに待っています (2020年4月3日 0時) (レス) id: 4b7a069960 (このIDを非表示/違反報告)
ヒイラギ(プロフ) - 燕さん» ありがとうございます!ゆっくりの更新になりますが頑張ります^^* (2020年3月10日 16時) (レス) id: 8efd38389c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - この作品、とても好きです。更新楽しみにしてます。 (2020年2月3日 2時) (レス) id: 9037981a2e (このIDを非表示/違反報告)
ヒイラギ(プロフ) - うずきさん» ありがとうございます!嬉しいです^^* (2020年1月24日 21時) (レス) id: 4b5b27727e (このIDを非表示/違反報告)
うずき(プロフ) - 世界観が大好きです!最高すぎます! (2020年1月24日 1時) (レス) id: c78208ae40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヒイラギ x他1人 | 作成日時:2019年9月22日 16時

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