TWINS･TWINS

･41 ページ42

『すみませ…って、伊沢さんと須貝さん！』

「あら、Aちゃん！」

「なになに、何買ったの？」



コンビニの袋をみてわらわらと集まる伊沢さんに中身を見せると、アルフォートを見てぎゅっと眉をひそめた。

そういえば、アルフォート苦手なんだっけ？




「アルフォートね…実は会社が作った造語なんだけど冒険とかそういう意味の言葉で、帆船の絵はそこから来てるんだけど…」

『クイズ王の知識は広範ですね！』





うひゃひゃ、と声を上げて笑う須貝さんに釣られて笑う。
どうしてそんなに知識があるのか…。






『あ、御二方はどちらへ？』

「ジム帰り！小腹がすいたからコンビニでなんか買おうかってなって…そしたらAちゃんが居たってわけ」

『なるほど、アルフォート要りますか？』

「あっ、間に合ってます」

「俺は欲しいー！」





アルフォートが間に合ってるとは？
また「ふふっ」と笑うと、伊沢さんが「いつからそんな意地悪になったの！」なんてぷんすか怒るもんで更に笑ってしまった。


それからあれやこれやと世間話に花を咲かせ、かなりの時間その場で立ち話をしてしまった。






『…わっ、』

「どうした？」

『いや、ちょっと…』





ふとスマホを見ると鬼のようなLINE通知。
送り主は全部航平。


これはやばい、と顔を上げた時、須貝さんと伊沢さんのはるか後方から見覚えのある姿。






「あれ、こうちゃん？」

「ほんとだ、おーい」






ひらひらと手を振る二人に、航平は「えっ！」という顔をした。
遠くからでもわかるリアクションありがとう。






「伊沢さんと須貝さん！お疲れ様です！」

「おーっす」

「A、遅い！めちゃくちゃ心配したんだけど！電話もかけたのに！」

『ごめんって！マナーモードにしてた！』

「あ、めちゃくちゃ話してたもんね。ごめんね」

『いえいえ、楽しかったので！航平ほら』






伊沢さんに続いてぷんすか怒る航平にアルフォートを渡すと、途端に嬉しそうな顔をする。

我が片割れながらちょろいな！


わざわざ迎えに来てくれた航平とオフィスに戻ることにして、須貝さん、伊沢さんと手を振ってわかれた。





「事故とかしてなくて良かったぁ」

『ご心配をおかけしました〜。記事終わったの？』

「うん、ばっちり」

『やるじゃん』






ぐしぐし、と頭を撫でてやると、
「外だから辞めてよ」なんて言いながらも嬉しそうに笑った。




*****

リクエストより
ありがとうございました^^*

･42→←･40

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す