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1週間たったある日、お館様からA様の面倒見を頼まれた俺は本部の屋敷へ来ていた。A様が久々に体調が良いということで、A様が布団の上で座っていたのでその隣に俺も座っていた。すると、
『おばない!』
突然声をかけてきた。なんだと思いながらも、話を聞いていると手毬をしたいらしい。そんなことかと思いながら、手毬を取ってきてやると布団の上で1人で手毬で遊んでいた。すると、突然歌いだして
『一番はじめは一の宮
二は日光東照宮
三は讃岐の金比羅さん 』
と、楽しそうに手毬を上へ投げては取るということをしてらっしゃったが、やや渋い歌だなと思いながらそれを聞いていた。
『四は信濃の善光寺
五つ出雲の大社(おおやしろ)
六つ村々鎮守様♩
七つ成田の不動様
八つ八幡の八幡宮
九つ高野の弘法さん』
『十は東京招魂社』
やはり渋い、なぜこんな小さい子供がこんな歌を歌っているのだと疑問に思いながらもまた繰り返すのかと気になっていると
『これだけ心願かけたなら
浪子の病も治るだろう』
「(すごい内容だな。)」
『ごうごうごうと鳴る汽車は
武男と浪子の別列車♪︎
二度と逢えない汽車の窓
鳴いて血を吐く「((A様!」??なに?』
俺は咄嗟に歌うのをやめさせた。だってこの歌は7歳の子供が歌う歌ではないだろう。おかしい、なぜこんな歌を知っているのだ。まだ純粋で居なければならない。だめだ。
「その歌を歌うのはやめよう。何故そのような歌詞を知っている」
真面目に聞いたつもりだったが、
『えぇーおばない!一緒に歌おうよ!これ覚えるの大変だったんだからね〜?』
「いえ!そういう意味じゃなくて」
俺は必死に止めたが意味がわかっていないのか、『まぁいいや〜』などと言ってはぐらかされたのだった。
『ねぇおばない!お散歩に行きましょう!』
しょうがないので、歌を忘れてくれることを願いながらA様を外へ連れていったのだった。
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かにパン(プロフ) - 名無し82162号さん» ありがとうございます! (2022年1月6日 19時) (レス) id: 389140c462 (このIDを非表示/違反報告)
名無し82162号(プロフ) - 面白い (2021年9月27日 21時) (レス) @page1 id: 90bfde0de7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひすい | 作者ホームページ:http://nanasaizihakawaigarareru.01
作成日時:2021年8月13日 17時