【名探偵コナン】私は1人じゃ生きられない。【松田陣平】

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陣平からバトンを継ぐと、一気に加速する




アンカーはトラック一周だからペース配分を多少は考えつつも、追いつかれないようにスピードを上げる






｢頑張れー！！！！｣




｢Aちゃーん！！！｣




｢松田いけー！！！！！！｣





私達の応援席前を通過すると、皆が必死になってタオルやらペットボトルやらをぶんぶんと振り回しながら必死になって応援しているのが見えた





途端に嬉しくなり、もっともっとと脚の回転を急ぐ





カーブに差し掛かったところで、後ろから焦った表情の田中くんが見えた





｢はっ……｣




息を乱しながらも私に追いつこうと一生懸命走る田中くん




どうにか追いつかれないように、私も必死に逃げる







｢あと100メートルだぞー！！｣



｢A逃げ切れー！！！！｣



｢Aー！！！！！｣



｢もう少しだ負けるな！！｣





伊達班長、ヒロくん、小野班長、降谷の声援が聞こえる




息が乱れてはいるが、まだ頑張れる




ラストスパートだ 踏ん張らなくては




自慢の走力をフル稼働してただただ走り続ける






｢Aちゃーん！！これで勝てば鬼塚教官許してくれるってー！！！！｣





ハギはこんな時も巫山戯たことばっかりだ




思わず顔が緩み、いい感じに体の力が抜けて腕が振りやすくなった





『は……ｯ は…ｯ！』




残り50メートル



後ろからの足音が近づいてくる



田中くんの最後の踏ん張りだろう



さっきまで舐めていた相手にそう簡単に負けてられないというプライドかもしれない




でも私だって負ける訳にはいかない





陣平が私だから大丈夫なんだと信じてくれたから




その気持ちに応えたいから






｢A！！後ろの奴なんかに負けてみろ！！！ぶっ飛ばすかんな！！！！！｣




こっわいなぁ 勝たないと私、顔の原型なくなっちゃうかも





片割れからの脅迫兼声援が、私の背中をもっともっとと押し出した






ゴールテープが近づいてくる




それと同時に田中くんもスピードを上げる




負けじと私もスピードを上げる






女だからって、舐めないでよ

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