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「よーい………」
パァァン______
「行けー!!!」
「萩原ァ!!」
「萩原くーん!!」
ついにリレーが始まってしまった
体育祭の目玉であるこのリレーは、全種目の中で1番盛り上がる
もう気迫が違う
各教場の選手達の目がマジだ
ハギは出だしこそ良かったものの、隣の教場の選手に僅差だが追い越されて第2走者へとバトンが渡った
確か隣の教場の選手の中に学生時代に陸上の全国大会に出場した女の子がいるって鈴木さん達言ってたな
キョロキョロとその噂の女の子を探すも私の周囲には居なかった
取り敢えず、同じアンカーじゃなかった事にほっとした
もう気にするのやめよ 応援しとこ
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「君、鬼塚教場のアンカーの子?」
第3走者の伊達班長の応援をしていると、いきなり見知らぬ日に声をかけられた
あまりにも突然過ぎて一瞬動揺したが、すぐに『そうですけど…』と返す
声をかけてきた彼はどこか安堵の表情を浮かべ、「良かったぁ」と呟いた
それを聞き逃さなかった私は、すぐにその零れ落ちた言葉の意味を悟った
舐められている
それしか考えられなかった
見たところ、彼も目印であるゼッケンを着用しているからアンカーのようだし多分とても緊張していたのだろう
そんな所に呑気に応援をしているアンカー印のゼッケンを着けた女がいるのだから、場違い感を感じるのは当然かもしれない
表情の緩んだ彼は心に余裕ができたのか、「俺隣の教場の田中って言うんだけど、」と話し始めた
陣平も私も、舐められた相手は徹底的に打ちのめす主義だ
今すぐにでも喧嘩を売ってやりたいところだが、田中くんに見えないように固く拳を握り締めて必死に殺意を押し殺した
私が取り繕った下手くそすぎる愛想笑いを浮かべているのにも気が付かないほど、油断しているようだった
「お互い頑張ろうな」
『はは ありがとう
ところでさ、田中くんって隣の教場なんだよね?』
「ん?ああ、そうだけど」
『友人から陸上の全国大会に出たことがあるって噂の女の子が隣の教場にいるって聞いたんだけど、それってどの子?』
心にゆとりしかない彼は「それなら…」と笑顔でその女の子がいる方を指さした
「あの子だよ」
その子を見て、私は思わず目を見開いた
その子自体ではなく、その子の走順に驚きを隠せなかった
『陣平の……隣?』
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ひぃな(プロフ) - 凡人さん» コメントありがとうございます!一気読みしてくださったんですか!?好きすぎるなんて嬉しいです(;_;)更新頻度不安定にはなりますが、これからも頑張りますので読んでいただけると幸いです!! (2022年6月14日 23時) (レス) id: f3d161dc85 (このIDを非表示/違反報告)
凡人 - コメント失礼します!作品好きすぎて一気読みしちゃいました〜!続きが楽しみです、無理のないように更新頑張ってください!応援してます💪 (2022年6月14日 22時) (レス) @page40 id: a488a8e9b0 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃな(プロフ) - RIOさん» コメントありがとうございます!続きを読みたいと思ってくださるような作品を書くことができて嬉しいです!作者は学生の為、今後定期考査や大会を控えているので更新は曖昧になりますが、これからもよろしくお願いします! (2022年6月14日 7時) (レス) id: f3d161dc85 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 続きが読みたいです! (2022年6月14日 2時) (レス) @page37 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃな(プロフ) - いーすとさん» いーすと様コメントありがとうございます!!その一言が小説更新の原動力です!!!!嬉しすぎて飛びます!! (2022年6月12日 23時) (レス) id: f3d161dc85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひぃな | 作成日時:2022年6月8日 21時