【名探偵コナン】私は1人じゃ生きられない。【松田陣平】

02 ページ3

·









スタート早々でお先真っ暗で絶賛さげぽよな私に声をかけてきたのは、幼馴染みのハギだった






ハギはかれこれ10年以上の付き合いなクセに未だに私の事をちゃん付けで呼んでくる






『そろそろキツい』と罵倒したら｢だってその方が可愛いだろ？｣とウインク付きで返してきた






この男、自分の顔面偏差値を理解した上でやってくるところがイライラポイントだ





今だってほら、お得意のウインクを添えて｢俺で良ければ話聞くけど？｣と如何にも“自分、頼れる男ですが？”感を醸し出している







『…教官に目付けられた』




｢え、何したの｣




『私バンザイしただけなのにちょうど通行してた人にアッパーキメちゃって一発K.O.』





｢うわ その人超不憫



絶対その人今年厄年だって｣




『それは私に対しての侮辱として受け取っても？』





ギロリと睨めば、ケラケラと笑って｢じょーだん！可愛い顔が台無しだよ？｣と頬をつついてきた





私にそんな事したって別にハニトラ的効果はないんだが






｢Aちゃんは陣平ちゃんと親父さん直伝の腕前なんだから、手広げる時は注意しないと｣





『別にそんな大したものじゃないけど…』




｢俺は高校の時に上級生数人に挑んで勝った後に揃いも揃って停学処分受けたこと、忘れてないけど？｣





『やめて忘れてホント最悪』






あの時の私は若かっただけだし


いやまだ十分若いけれども





上級生、しかも男子生徒相手に私から喧嘩吹っかけて勝ったなんて、警察官になろう者が聞いて呆れる話だ





やだやだと頭を振る私に気づいているのかいないのか、｢あと何だったかな〜｣と学生時代を思い出そうとするハギ





本当に話を聞かないなコイツ





｢あとあれだ！中学の頃は部活の先輩辞めさせて問題になったし、高校では女子数人と揉めて相手泣かせて話題になったよね｣




『ねぇ思い出さなくていいから！』




｢中学高校じゃ、松田兄妹は有名人だったもんね


色々な意味で｣





『まじそろそろ黙らないと自慢のご尊顔の価値下げるよ』





｢いや急に怖いじゃん｣





いつまでも人の学生時代の所謂黒歴史の部分をペラペラと話すハギを脅すと流石に黙った









………と思ったら｢物騒なこと言うの止そうぜ？お巡りさん｣と語尾にハートが3連くらい付いてそうな口調で返される






どこまでも殺意を忘れさせないこの男はどこまでも勇敢だと思うよ うん

03→←01

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す