story70 ページ22
「クロロの用件は終わたか?」
「あぁ、終わったが…どうした?」
「ならコイツは連れていくよ」
クロロの問いかけには答えず、フェイタンがガシッとAの腕を掴んだ。
「え、え?何?」
「いいからこちくるね」
「ちょ、ま、待ってって!あ、クロロ、シャルナーク、またあとで!?」
「…あぁ、後でな」
「それがあるかどうか、わからないけどね」
ばいばーいと手を振るシャルナークと、フェイタンの勢いに驚くクロロを置き去りにして、Aはフェイタンに文字通り引きずられていく。とにかく力が強いのだ。振りほどけないくらい。
「ちょっとフェイタン…痛いって」
「痛いくらいがちょうどいいよ」
「何がちょうどいいの!?離してってば!」
「目的地についたら離してやるよ」
その目的地がどこなのかは、すぐにわかった。フェイタンの自室に連れてこられたのだ。正直あんなことをしてしまった後では勘弁してほしいと思うのだが、純粋な力勝負でフェイタンに勝てるわけもない。なんでも旅団内の腕相撲では五位らしいのだ。恐ろしいのは、あの力馬鹿のノブナガやなんでもそつなくこなせそうなクロロを押しのけて五位、という事実。ちなみに六位はマチで、女性陣では一位。おっとろしい集団である。
「…なんの用があって」
「黙るね」
扉が閉まった途端、彼のベッドに投げ出された。いきなりの事に体勢を崩すAに、フェイタンが圧し掛かる。そのまま有無を言わさず、キスをされた。
「んんんぅっ!?」
「黙るよ…っ!」
ガリッと唇を強く噛まれ、血の味がする。まぁ今は能力発動してないからどうにかなることはないだろうが、それでもいきなりの事に思わず彼の身体を押しのけようとしたら逆に抵抗を塞ぐように両手をまとめて頭上で縛られた。いつの間に用意してあった、布で。
「ちょ、フェイタン!?何するの!」
「…なんでシャルね」
「は!?」
あまりのされように焦りながら問いかければ、どこか寂しそうな瞳を向けられた。
普段の彼からは想像もつかないくらい、頼りなく寂しそうな、光。
「恥ずかしいならワタシのところにずといればいいね…。そうしたらワタシが、恥ずかしいなんて気持ちを失くさせてやるのに…」
「…フェイ、タン?」
「なのになぜ、シャルの所にいるよ…嫉妬したね…」
「……どう、して」
「お前が好きで好きで、堪らないからよ」
(まっすぐ見つめてくる彼の瞳が)
(その言葉が真実だと伝えてきた)
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累 - とても面白いです!つづき楽しみにまってます!頑張ってください、応援してます! (2020年4月6日 12時) (レス) id: 7d54cdb775 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 由宇さん» コメントありがとうございます!ちょいちょい停止しますが必ず書き上げますので、どうぞよろしくお願いいたします! (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ここっちさん» もうちょいで記憶が!まだわかりません!(←)でも長い目で見ていただければと思います、よろしくお願いします! (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ゆっずーさん» 遅くなりまして申し訳ありません!いつもありがとうございます!これからも頑張りますね! (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
由宇 - 面白いです!早く更新停止が終わることを願ってます!頑張ってください! (2018年8月15日 11時) (レス) id: 06761224f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯霧 | 作成日時:2017年7月10日 18時