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もう少しだけ ページ34

knsm side

リビングのソファーで本を読んでいれば扉の開く音が聞こえてくる
それと同時に舌のあまり回っていない嫁の声が聞こえてきた

つたつたと覚束無い足取りで俺の元へ歩いてくる
頬は紅くなっていてどこともなく大人っぽい
もうそれはそれは。他の誰にも見せたくないほど

「めっちゃ酔ってんな」

『そうでもないですやんかぁ』

「関西弁?」

『私ぃ、関西出身なんですよねぇ』

絡み酒体質なのかぺったりと俺へくっついてくる
柔らかい肌と上がった体温が伝わってきた
それだけじゃない。必然的に腕に胸が当たる。めっちゃ興奮する。どうしたらええねんこれ

『何読んではるんです?』

「なんでもええやろ」

『教えてくれてもええやないですか』

嫌に間延びした声が耳にこべりつく
甘い甘い声。それは耳から入って体の中を蝕んでいく

「水飲むか?」

『気にせんでください、そんな酔ってへんので』

「嘘つけや」

『事実言えばコネシマさんから離れたくないです』

だめ...ですか?
上目遣いの熱い視線が刺さる
アルコールで溶けた目は赤い頬に強調されて理性をつついてくる

『私、コネシマさんのこと気が付かんうちに大好きになっとったみたいなんです』

『ふと気づいたらコネシマさんのことばっかり考えとって』

『初めは怖かったけど、今はどうしようもないくらい惚れてもうたらしいです』


心臓がどくんと高鳴る
にへら、と笑った顔があまりに幼く見えて
腕に抱きつくAを抱きしめた

すっとんきょうな声を上げたAはしかしすぐに背中に腕を回してきて力を込める

暖かい。いつも感じているよりずっとAは小さい
なのに、なのに俺はいつもこいつに助けられている

初めて向けられたかもしれない純粋な好意
シャオロンとか友人とは違う別のもの
必要とされた。その事実が嬉しいようでどこか苦しかった

『ふふ、あったかいですね、コネシマさん』

俺の胸の辺りで篭った声

「......お前の方がめっちゃあったかいから」

『ほんまですか?ならあったまってください』

「おん」

くすくす笑いながらAは俺の服をぎゅっと引く
力を込めると痛いですと言葉をくすぐったそうに弾ませる



「A」

『なんですか?』

「......なんでもない」

『もぅ、ずるいですよ』


何が面白いのかまたAは笑った

Aを汚すのは俺にはまだ早い。

くっきんぐ→←友人らしい



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プリン - 更新頑張って下さい!!スラスラと読んじゃってあっという間に全部見ちゃいました(´・ω・`)コネシマさんめっちゃかっこいい!続き楽しみにしてます! (2022年4月11日 16時) (レス) @page50 id: 774745bb4a (このIDを非表示/違反報告)
@高橋_Tereta(プロフ) - もう更新はされないのでしょうか…?🥺コネさんかっこよくてスラスラ読んでしまい… (2022年4月2日 1時) (レス) @page50 id: 8dd19441df (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - もう更新しないのかな、、、、コネさんがかっこいいおはなしでしたねー (2021年10月2日 10時) (レス) @page50 id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
零露 - 更新頑張ってください!自分の名前にしてニヤニヤしながら楽しんでますw(自分キモッ (2020年11月22日 22時) (レス) id: cc26712808 (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり - 何度読み返しても面白いです!ゆっくりでも楽しみにしてます! (2020年10月22日 20時) (レス) id: 58294b6a9f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美奈花 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年3月6日 21時

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