今宵、パーティーで踊りましょう【wrwrd】 (ページ9)

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9曲目ページ9

『め、いろ...？』

｢まじ最悪...｣

あからさまに溜息をつく4人に骨の折れるものだと察する
とぼとぼ歩き出した為合わせて足を動かす

『シャオロン、道を覚えてる人はいないの？』

｢この部屋の作りも毎回グルッぺンが変えるから覚えてるもクソもないねんな｣

『そういう事ね...』

ひとつ、目の前に行き止まりが現れる
引き返して別の岐れ路へと進んだ

いくつもの壁に行先を遮られてもゴールの扉は見つからない

｢はぁー...しゃーないな｣

私の後ろを歩いていたコネシマが気だるそうに先頭へ踊りでる

｢こうなったら埒があかんから俺がするけど感謝しろや？｣

そう言ってずんずんと進み出したかと思えば岐れ路で1度立ち止まってまた歩き出す

コネシマの後をついて行けば壁につくことはなかった

『なんで...？』

｢教えてあげましょうか？｣

『え？あぁ...お願いします...』

穏やかな笑顔でエミさんが話しかけてくる
突然の事に驚きながらもお願いすれば嬉しそうに｢喜んで｣と返してくれた

しっかりとしたコミュニケーションを取るのは始めてだ
不思議な雰囲気を纏ったこの人は髪同様瞳の色素も薄い
それにふんわりと漂う紅茶の香りが私を落ち着かせた

｢私達にはそれぞれ簡単な能力があります
例えばしんぺいさんは変化と宙に浮く力、私はちょっと地味ですけど知りたいと思ったこと、見た人の情報などの本が作られます

観察眼のよいAさんなら私が居た部屋に本棚があった事に気づいてるかも知れませんね

あの本棚にはこの城の私が仲良くしている方々の情報が記されています

...余談でしたね、コネシマさんの能力は嗅覚を研ぎ澄ます能力です
それだけ聞けばそんなにと思うでしょうが岐れ路に差し掛かる度能力を使って壁があるかどうかを嗅ぎ分けているんです｣

その情報量に思わず目を瞬かせる
噛み砕く様に頭の中で整理していけば随分すごい事だということが分かる

『すごい...』

｢でしょう？｣

ふっと微笑んだエミさんの視線の先には立ち止まったコネシマさんが目を閉じて少し顎を上げる姿があった

こう見てみれば彼は本当に顔がいい
しんぺいさんと変わらないその身長は180cm程だろうか
所々腐敗しているものの白い肌に長いまつ毛、ゆっくり開くと覗く空色の真剣な瞳には影が落ちている

全く喋らなくなったコネシマさんはただただ真剣な表情で前を見据える