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「別に俺は利用してもいいと思うな」
「へ？」
突然、こーちが突拍子もないことを言い出すもんだから間抜けな声が出る。
「恋愛って十人十色で自由だろ？色んな形があると思うんだよ」
「あと、元恋人を忘れるなら新しい恋をしろってよく言うよな」
「うーん、でも俺は利用とかできないし」
「女の子はこれでもか！ってほど大切にするタイプだもんなジェシーは」
そうだよなあ、と考え込むこーち。
「それに未練だらけで余裕ないし」
「でも、連絡先くらいは聞いてもいいんじゃない？」
ソレ、と慎太郎が指さすのは、よかったらと渡されたハンカチ。
確かに、借りたものを返さないわけにはいかないし。
慎太郎にそう言われて、彼女たちが座っていたテーブルの方を振り向くと、時すでに遅し。
誰もおらず、店員さんが後片付けをしている最中だった。
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作者名：もち粉 | 作成日時：2022年2月13日 10時
