私は師匠を信じない【HUNTER × HUNTER】

どちらも大概化け物 ページ21

ゴン達がスタッフから200階の説明を受け申し込みをするか否かの話になった際、少女は思いついたように言った。

「私が相手になろうか？」

ニヤつきながら言う少女に少年達は片や目をギラつかせ、片や顔を歪ませる。

「えらっそーに言うなよ。」
「だって私、センパイだからね」
「腹立つ〜…！」

ふふんと鼻を鳴らすコイツの言う事を否定出来ないのが一番腹立つ。キルアは更に眉間に皺を寄せた。その横でゴンはぽつりと言う。

「…俺はいいや。」

ゴンの言葉に少女は目を細める。

「ホントに？私、」
「絶ッ対、ゴンとキルアには手を抜かないよ。」

ギン、と鋭く光る少女の目にゴンは高揚感を覚えた。

「…俺たちまだ念を覚えたてのひよっこだぞ」
「だとしてもだよ。手を抜くなんて二人に失礼だし何より、私は二人に絶対負けたくないから。」

ビリビリと当てられる少女からの闘気に二人のやる気は掻き立てられる。

「っあーー！！俺も、俺もAとやりたい！！」
「よしじゃあ受付しよう！！」
「まてまてまて！ゴン！メガネ兄さんから言われた事忘れたのか？」
「…あ、そういえば」

『2ヶ月は我慢してください。』

「ゔーーん、ゴメン！やっぱ出来ない！」
「フーン、じゃあ私は受付しちゃお。」
「え”」
「な”」

お預けをくらっている少年達の目の前で、少女は受付用紙にサラサラと記入していく。

(こ、コイツ…！一週間エントリー禁止にした事根に持ってやがる！！)

こっちのやる気を煽るだけ煽って、自分だけ抜け駆けする気だ！！！

「…で、誰が相手になってくれんのかな？」

少女は後ろを振り返り、曲がり角に向かって声を掛ける。肩をビクリと震わせた三人はぞろぞろと闇の中から姿を現した。

「あれ、知った顔が二人居るな。あんたらが相手してくれるの？」
「…する訳ねえだろ。今度は脚じゃ済まねえ」
「そこまで向こう見ずじゃない、ね。」
「あそ。」

少女は三人目の車椅子の男に目を向ける。男は顔をひくつかせて首を横に振った。

「残念。…まあ精々新人を揉んでくれたまえ」
「お前ホントさっきからクソ偉そうだ、な！！」
「イデッ」

キルアにガツンと殴られ、少女は後頭部を摩る。…ちょっと調子に乗り過ぎた。

「…まあ、アレだ。新人相手に勝ちを稼ぐのは止めないけど、ちゃんと相手の都合考えろよな。」

キルアからの鋭い視線に萎縮しながら、少女は三人に牽制した。

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