夜明けを待つ月【吉良ヒロト】season6

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後悔なんてしないつもりだったのに……なんでこんな気持ちになるの？

全部捨てるつもりだったのに。思い出す度に辛くなる。


私はだれ？ ここでなにをしているの？ どうしてここにいるの？

私、あなたたちのこと、全然知らないの。


純粋なAの気持ちも裏切って、自分の欲望の為に利用した。


アイドルはAにとって大事なものだったの。円堂のこと、Aは本当に慕っていた。

だからアイドルになってサッカーを盛り上げたいって、本当に純粋な子だよね。自分のできることで貢献したいって。

前にヒロトにも話したよね、これは本当のことだよ。……私の意志じゃないけど。


ヒロトが好きなのは、どちらかと言うと、こっちの世界の私だよね。純粋で可愛くて。私は、全然そうじゃないから。


いいんだよ、否定しなくて。ヒロトの気持ち、最初から信じてないから。


生きてることと、死ぬことって、ほとんど同じなんじゃないかって思った。じゃあなんで生きてるのかって言われると、たぶん、死ぬことが想像以上に大変だからなんだよ。


生きることの大変さとは、たぶん比べられない。そもそもベクトルが違うんだ。なんで生きてるのかなんて、たぶんそれだけのことなんだ。


アイドルやってて、多くの人に愛されて、なんでも持ってるように見える？


でもね、本当に欲しいものは、絶対に手に入らないって気付いちゃったんだ。


円堂は仲間だって言ってくれたけど、私が違うって思っちゃったから、もうだめなんだよ。

結局自分がどう思うかってことが一番重要なんだ。自分勝手なんだよ、私。でも、みんなそんなものでしょ？

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