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scene86 ページ36

「まずは、それぞれがAちゃんについて知っていることを共有しておきたいんです」


4人で輪になるように座り、野坂がおれたちを見回して言った。


「どんな些細なことでもいいので、なるべく詳細に話してください。初対面のときから、順を追って話してもらえるとありがたいです。じゃあ、まずは風丸さんからお願いします」


風丸さんは急に自分にふられて、少し面食らったようだったが、やがてゆっくりと記憶を辿りながら話し始めた。


「そうだな……、おれが初めてAと会ったのは――」


それから1時間ほど、おれたちはAと会ってから今までのことを順番に話していった。


なんだか地獄のような時間だった。おれはAから告白されたときのことまで話すはめになった。

野坂は「もっと詳しく」とか「なんで抱きしめておいて、キスしなかったの?」とかやたら食いついてきた。途中から完全におれをおちょくってやがった。


途中何度か手が出そうになったけど、風丸さんになだめられながら、なんとか全部話した。Aの真実に辿り着けるなら、これくらい。……本当に辿り着けるんだよな?


おれらが話し終わると、野坂は「なるほどね……」と妙に納得した様子だった。


「ありがとうございました。今日はこれくらいにしましょうか」


そう言って野坂はおもむろに立ち上がった。


「いや、ちょい待て」


あまりにもしれっと言うのでそのまま流されそうになった。あぶねえ。


「お前、なにも話してねえじゃねえかよ」


人から聞き出すだけ聞き出しておいて、はい終わり、はねえだろ。


「そうだよ、ずるいよ野坂くん」と吹雪さんは頬を膨らませた。


「それに、お前はAから素性を聞いたって言ってたじゃねえか。それもおれらに教えてくれてもいいんじゃねえの」

「そうなのか? 教えてくれ、野坂」


風丸さんが野坂の方に身を乗り出す。


野坂はあごに手をあて、少し考えてから「そうですね」と座り直した。


おれがつっこまなかったら、このままスルーしようとしてたな、こいつ。


野坂が居住まいを正すと、みんなの視線が野坂に集まる。


Aの素性ってなんなんだろう。

おれの中で、知りたいという気持ちと、聞くのが怖いという気持ちがせめぎ合っていた。

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- 福岡、京都、沖縄...陽花戸中、漫遊寺中、大海原中ですね。立向居や木暮、綱海がいるか確かめにでも行ったのでしょうか...。でも、夢主ちゃんの世界にヒロトは存在していない、と聞いたとき、ヒロト本人はどう思うのでしょうか...続きがすごく気になります! (2019年2月17日 17時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
- 無印時代からアレス時代に来るとき、雷門中から飛び降りたことで夢主ちゃんがこの時代に来れたとか...?色々想像できて楽しいです!頑張ってください! (2019年2月15日 13時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
- 初コメ失礼します!!もしかして夢主ちゃんは無印時代から来た子ですか!?アツヤ見て泣いたのも、ヒロトを見てビックリしたのもつじつまが合いますし...。(アツヤが生きてて嬉し涙、ヒロトがタツヤと全然似てなくて驚き)いつも応援しています!! (2019年2月12日 3時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - すごく場面場面が入ってきてとっても読みやすいです!続き楽しみにしています♪ (2019年2月11日 22時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
はずにゃん☆ - こんな感じの小説待ってましたー♪投稿頑張て下さい。 楽しみにしています! (2019年2月9日 14時) (レス) id: f86bddf786 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2019年2月8日 17時

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