腹が立つくらい猛烈に２【日高光啓】

#46 ページ18

貴『傷つけたの、大切な人を…
　
　 傷つけた、自分が傷つきたくなくて
　
　 優しさに甘えて、何も無かったみたいに過ごしてた
　
　 ……でも、無理だった、忘れられるわけない
　
　 自分から避けてたはずなのに、いつも探してる
　
　 私、自分がこんなに弱くてダサい人間だとは思わなかった
　
　 でも…どんな私も、受け止めてくれようとした
　
　 …あの時の言葉が、どれだけ嬉しかったか、まだ伝えてない


　
　 ずっと、隣に居たいと思ったの、日高しか居ないの、私は……っ！？』







電話してる貴方を、後ろから思い切り抱きしめる。
呆然として、俺の顔を確かめた、その目から……。






貴『な…何してんの！？外！！』


日「関係ない」


貴『ある！！てか電話！してんの…あ！』


日「しんじろ、ごめん」ピッ


貴『ちょっ…！』


日「貴方、こっち向いて」


貴『待って、無理、今…』


日「お願い、俺を見て」








無理やり頰を包み込んだ手で真正面を向かせる。
最後に見た、あの悲しい涙とは違う。






日「聞いて？俺だって、貴方のこと傷つけた
　
　 貴方の気持ち全部知ってて、優しいのも知ってて

　 甘えて、困らせて…俺だって、無かったことにしようとした

　 だめだよな、宇野に殴られるまで、俺は、俺を守ってたんだって

　 やっと気付いた…俺は、好かれなくて当然の人間だよ

　 でもな、真司郎に…誰かに取られるなんて、考えたくない

　 貴方を幸せにするのは、俺がいい、だからもう一回言わせて？



　 好きです。俺を信じてくれた、貴方が好きです。

　 出会った時も、今も、これからも。

　 俺は…貴方だけを、愛してる。 」

　
　
　
　

　

　

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