だめ! ページ40
「…」
「…なに?ひだか…」
ひだかがさっきから
ずっとじ〜って顔を見てくる。
顔っていうか、唇あたりを…
「…A、
その唇どうしたの?」
「え?なにが?」
「唇皮むけてるから…」
「あー、
くせでむいちゃうんだよね」
「くせでむいてるの??」
「うん」
「だめだよ!皮むいたら!」
「なんで?べつにひだかの
唇じゃないしいいじゃん」
「俺のじゃないから関係ないとか
そういうことじゃないの!
皮むいたら血とかでちゃうでしょ!?
あと唇かさかさだったら
なんかかわいそうだもん!」
「かさかさでも関係ないし」
「俺には関係あるの!!
だって俺Aにちゅーするし…」
「ばか」
「とにかく唇の皮むくの禁止!!
俺Aにプレゼントあるの!」
「プレゼント…?」
「うん!はい、これ!」
「…リップ?」
「ただのリップじゃないよ!
薬用リップ!!」
「…だからなに」
「ちょうどいいでしょ!
Aに!」
「プレゼントっていうか、
かさかさを治せって言ってるんだよね」
「プレゼント!!」
「何でそんなにプレゼントって
言いたいの」
「だってさぁ…
この前橋本くん、
Aにネックレスあげたんでしょ?
だから俺もAになにか
プレゼントしたくて…」
「…ネックレスとは
えらい差だけどね」
「俺にはあんなかっこいいこと
できないもん!!」
「え、見てたの?」
「見てない!想像!」
いや、絶対見てたでしょ…
「はい!リップ塗ってあげるから
こっち向いて!」
「塗ってとか頼んでないし」
「俺が塗ってあげたいから!!」
「…」
「よし!これでおっけー!」
「ありがと、」
「あ、でもまだおっけーじゃない、」
「え… ん、」
チュ、
「…ひだかもリップついてるし」
「じゃあもっとつけていい?」
「だめ、…」
「じゃああと1回だけ…」
「…1回だけだよ、」
もう一度、
ひだかが私の唇に
リップを塗って、
唇を重ねてきた。
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作者名:あおそう* | 作成日時:2019年4月8日 22時