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子供8 ページ8

声をかけたのにも関わらず返事をしない私を不思議に思ったのか、立ち止まった私の手を取る銀ちゃん。


「おーい、どうし」


その瞬間。

ガッと、気づいたら彼の手を振り払っていた。

目が点になる銀ちゃんと目が合う。


「ご、ごめん…」


唖然とする彼を置いて歩きだそうとすると、「おい!」と呼び止められる。


「何その態度。ってか昨日の夜、高杉と何話してた」


「別に…」


「はあ?別に?俺に話したくねぇのかよ」


ダラっとした態度から、急にトゲのある声に変わる銀ちゃん。

肩を掴まれ、上から圧をかけてきた。


「んで答えねぇの。何、ほんとになんかされたわけ」


押し倒され、銀ちゃんと晋助兄さんがどこに行っていたか教えて貰った。

その事実を言えず、目をそらす。

嘘をついていいはずなのに、何故かその時の私は黙ることしか出来なかった。

その反応が余計気に食わなかったのか、銀ちゃんは舌打ちをする。


「ちょっと来い!」


「ちょ、なに!離して!!」


強引に腕を掴まれ、歩き出す。

振り払おうと懸命に腕を振るが、ほどけない。

なんでそんなにイライラするの?

銀ちゃんに関係な…くはないのか。

彼は肌寒い外へ私を連れ出し、人気がない場所へ歩く。

森林に囲まれ、月のあかりだけが差し込む薄暗い所へ来た。


「何教えられたか答えろ」


木に寄りかかり、腕を組みながらそう聞かれた。

冷たい視線に、ドキッとする。


「銀ちゃんと晋助兄さんが、どこに行ってたか」


「…ふーん」


ふーんって…。

あなたから聞いたんじゃない、何その反応。

よく分からない銀ちゃんに少し眉をひそめる。

長い沈黙が続く。

耐えきれなくなり、私は何か話さなければと口を走らせた。


「しょうがない事なのかなって、それしか思わなかったよ。ほら、銀ちゃんや晋助兄さんだって男だし。そういう気分とかあるだろうし」


そのセリフを聞いた銀ちゃんはピキっと表情を固める。

すると、ズカズカと目の前まで歩いてきて、私の頬を片手で掴んだ。


「俺たちがどれだけお前のこと大切にしてっか…!!俺がどれだけ我慢してるか知らねぇくせに、馬鹿な事言うんじゃねぇよ…」


二言目は、ボソボソっと呟かれた。

しっかり聞き取れたが、意味が分からない。

彼は手の力を緩め私の頬から離すと、ズルズルとしゃがみこむ。

そして顔を片手で覆い、大きなため息を漏らしたのだった。

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年11月8日 23時

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