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子供5 ページ5

ある夜のことである。

帰りが遅い晋助兄さんと銀ちゃんを待っている時。

ガタガタっと、空き家の出入口付近で大きな音がした。

二人が帰ってきたのだと思い、様子を見に行った。


強く甘ったるい匂い。

少し離れた私に届くくらいだ、相当きつい匂い。

酔いつぶれた銀ちゃんに肩を貸してあげている晋助兄さん。

だけど、晋助兄さんもまた酔っているようだった。

…どこ行ってきたんだろう。


「おかえりなさい」


匂いでやられたのか、頭がズキズキとする。

同時に胸も痛み始め、どんな態度をとっていいか分からなくなってしまう。

一応そう言えば、ダランと力無く晋助兄さんに体を預けていた銀ちゃんがゆっくり顔を上げた。


「ちょっと布団」


私の顔を見るなり、そう言った。

…え、何それ。

結構心配してたのに。

声掛けたら返事は布団?

イラッときた私は、晋助兄さんに連れられ歩き出した銀ちゃんの後を追いながら問い詰める。


「ねえ待ってよ、どこ行ってたの」


「あ?ガキにゃ分かんねぇとこだよ」


「ガキじゃない、少なくとも銀ちゃんより大人よ。教えて、どこ行って」


「るせぇなぁ…頭痛てぇからデカい声で喋んな。部屋戻っとけよ」


「なっ…!!」


カーッと頭に血が上り怒鳴ろうとした時、晋助兄さんが足を止める。

そして私の方に首だけ振り向かせると、ニヤリと笑った。


「A、後で俺のところに来い。教えてやらァ」


「はぁ!?高杉てめぇ何バカなこと言って…!!」


酔い潰れていたはずの銀ちゃんが晋助兄さんの腕を払い、バッと立ち上がる。

なに…そんなに教えたくない場所なの。


「分かった。早くそのバカ置いてきて、そしたらすぐ行くから」


「ックク、待ってるぜ」


晋助兄さんと会話を終わらすと、彼は銀ちゃんの腕をガッと掴んだ。


「お、おい!!」


呂律の回らない口で反抗していたが、無理やり連れていかれてしまった。

私は廊下の真ん中ではぁっとため息をつく。

二人が遅くに帰ってくることは多い。

けど、今日みたいにお酒の匂いと別の甘い匂いを纏ってきたのは初めてだ。

理由、聞きたいけど聞きたくないなぁ…。

自分からあんなに詰め寄ったくせに、今になって晋助兄さんに会いに行くのが怖くなってきた。


「おぉ、A。…どうした、顔色が悪いぞ」


じっと一点を見つめ立ちつくしていると、前から小太郎兄さんが歩いてきた。

顔を覗き込まれて、心配してくれた。


「うん、大丈夫。もう寝るから」

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年11月8日 23時

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