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子供14 ページ14

男たちの会話は耳にこびりついた。

胸がざわつく。

味方が、男が、Aに好意を向けている。

異性として、一人の女として。


その時に湧いたものは、独占欲だった。


昔っからAを見てきたのは

昔っからAを好きだったのは

どんな時でもAと一緒にいたのは

どんな時でもAを護っていたのは

俺だ。

俺があいつの全てであり、あいつの全てが俺であって欲しい。

醜い願望がすぐ俺を支配した。

怒りに似た感情が湧き上がり、味方にでさえ敵対心を抱く。


この感情をAにぶつけるのは、あまりにも滑稽だ。




〜Aside〜


どんちゃん騒ぎした次の日の朝。

まだ銀ちゃんと距離が空いている。

そろそろ他の人たちの迷惑になると考えた私は、彼の部屋へ足を進めていた。

なんて言って謝ろう。

というか、なぜ私が謝らなきゃならない。

元々は銀ちゃんが急に私を連れ出して、訳の分からないことをボソボソと…。

もうやめたやめた。

さっさと謝って、いつも通りの関係に戻ろう。

昔からそうしてきたじゃないか。

どこかで緊張しているのか、頭でつらつらとそんなことを考えていた。

そう廊下を歩いていると、前から晋助兄さんが歩いてきた。

「おはよう」と声をかけようと口を開きかけると、彼が急に手を伸ばしてきた。

ビックリして足を止めれば、その手は私の頭に乗り。

ゆっくり、指に私の髪を通し、妖艶な目で私を見た。


「まだ寝てやがるぜ」


「そ、そう…」


銀ちゃんに会いに行くってバレてたか。

朝だから余計に低く、そして色っぽい晋助兄さんの声にドキッとする。

指が滑らかに落ち毛先まで到達すると、今度はクルクルと遊び始めた。


「なぁ、少し散歩でもしねぇか」


「…へ?」


拍子抜けした。

まさか晋助兄さんからそんな事を言ってくれるなんて。

戦争中だと言うのに呑気なことを、なんて思ったけど。

でも、嬉しい。


「う、うん、行く」


銀ちゃんに謝りに行くのは、晋助兄さんと散歩してからでいい。

少し朝の空気でも吸ってリフレッシュして、うんうん。

そうしよう。


すると、彼は私の髪からそっと手を離すと、今度は私の手を掴んだ。

ドキッと胸が跳ねる。

そのまま何も言わずに外へ連れ出してくれた。

森林の中をゆっくりと歩く。


「銀時と何かあったか」


静かな声でそう聞かれた。

繋いだ手に無意識に力が入る。

なんて答えればいいか、分からない。

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年11月8日 23時

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