子供37 ページ37
煌びやかなキッチンだ…。
大きなキッチンに目をぱちくりさせる。
食器や料理道具は高そうなものばかり。
料理をするだけなのに、無駄に広い構造。
ここで今から私はそよ姫様に料理を教えるのか…。
「すっげー」
私よりテンションが上がっている旦那が一名。
炒飯くらいしか作れないと言い張る銀ちゃんを無理やり連れてきた。
皿洗いくらいさせるつもりだ。
「真選組一番隊副隊長の坂田Aさん、ですよね」
お淑やかに歩きながら現れたそよ姫様に慌てて頭を下げる。
今日はいつもお召しになられている着物ではなく、庶民に寄せた格好をなさっている。
上はシャツ、下はロングスカート。
その上からピンクの可愛らしいエプロン。
「本日はよろしくお願いします」
「あ、そんなかしこまらないでください。ラフにいきましょう」
ふわっと微笑むそよ姫様に、少しだけ緊張が解ける。
優しい方なんだなぁ…。
「そちらは、旦那様の銀時様ですね」
銀ちゃんに視線を配ると、またふわりと笑ってくださった。
「依頼ありがとうございましたー。今日は嫁が頑張るんで、俺助手らしいんで」
バシッと銀ちゃんの頭を引っぱたく。
「ってぇ!!!」
「姫に向かってなんなのその口調!礼儀正しい態度取りなさいよ!!」
「そんな!いいんです!むしろ私はその方が気が楽で嬉しいのですよ。Aさんも固くならず、柔らかく今日一日お話になってください」
そよ姫様がフォローしてくださった。
本当に優しい方でよかった…。
危うく銀ちゃんの首が吹っ飛ぶところだった。
☕
「さて、それではまず最初に定番料理ですが、卵焼きを作ってみましょう」
「はい!」
可愛らしい返事と、かなりのやる気。
彼女は袖を丁寧にまくると、手を洗い始めた。
「あの…なぜ万事屋に依頼したのですか?」
そっと、声をかける。
彼女ならもっと腕のいい人を呼ぶことが出来るはずだ。
それに、私達のような庶民から料理を教わるのは…。
「きっと、美味く出来ると思ったからです」
「へ?」
「心のこもった料理をしたいんです。お兄様に食べて頂きたいので」
半円を描く目。
頬はほのかに桜色に染まり、愛おしい人を思う笑顔をなさった。
その期待を、万事屋にしてくれたのだ。
「お力になれるよう頑張りますね!」
「はい!私も頑張ります!」
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お茶(プロフ) - アルムさん» 素敵なコメントありがとうございます!!心の支えでございます涙次回作も宜しければ読んでいただけたら光栄です!ありがとうございました!! (2019年11月8日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - お茶さんこんにちは! 番外編完結おめでとうございます。1シリーズのときからずっと好きで毎日読んでいました。お茶さんの綴る文章、大好きです。毎日お疲れ様です。次回作も楽しみにしています。 (2019年11月8日 23時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みゃんさん» わぁぁあコメントありがとうございます!続き頑張って書きあげますね!! (2019年9月4日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みゃん - 一気に読んじゃいました!めっちゃ面白いです!!続きが早く見たいです! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 21dc5ec498 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - あくび少女さん» コメントありがとうございます!ニヤニヤ…( -∀-) (2019年9月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2019年4月9日 2時