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子供28 ページ28

「そんなんでイライラしてちゃ生きてけねぇぜ万事屋」


そう言いながら、彼は私の隣で激しく貧乏ゆすりをしていた。

私の目の前にいる上司は、フッと鼻で笑う。


「そうですぜ旦那。嫁さんが心配してくれてこの計画を提案してくれたんでさァ、期待に応えてやらねぇと」


「ま、土方さんもですけどねィ」と付け足し、目の前のハンバーグセットをガツガツと食べる。

そしてその私の上司の隣に座る「旦那」は、舌打ちをした。


「あのなぁ土方くん。君その貧乏ゆすりやめてから言おうね?吸いたくてたまんねぇんだろ、口寂しくて仕方ねぇんだろ、あ?」



失踪していた総悟くんが私たちを見つけ、なぜか一緒にいた土方さんも店内に入ってきた。

巡察中に銀ちゃんと一緒にいたことがバレ、土方さんに怒られたのだが。

私から離れた総悟くんの方が怒られていたようだ。

その腹いせに、銀ちゃんにちょっかいをかけに来たという。

なんとも性悪…。


「ニコチンの味を思い出すとな、心がキュンと音を立てやがんだ。それほど飢えてんだよこっちはなぁ…」


「え?なにそれ恋?タバコに恋してんの?きっもちわりぃお前!」


「はぁ!?お前だってさっきから指しゃぶってんじゃねぇかよ!何やってんだてめぇ!」


「子供の頃、口が寂しいと指をくわえてたんだけどよ。何故かちょっと甘味を感じて、今これが俺の唯一の糖分を感じられる瞬間なの!」


「糖分でも何でもねぇよそれ!汚ねぇからやめろ!」


総悟くんがいじる前に、この二人は喧嘩を始めてしまう。

ストレスが溜まっているのか、お互いにおかしくなっている。


「はぁ…まだ一日も経っていませんよ二人とも。このイベントは一週間あるんですからね」


大きく溜息をつき、コーヒーを飲みながらそう言った私。

信じられねぇ、と顔に書いてある二人の顔を見て呆れた。


「馬鹿二人がなんとか乗り切るいい案ありやせんかねィ」


ハンバーグセットを完食した総悟くんが、哀れむような目でそう呟く。

いい案、か…。

あ。


「いい案、というか。ちょっと頼れる物ならありますよ」





「「嫌いになる薬?」」


屯所に戻り、私の自室へ案内すると、土方さんと銀ちゃんは声を揃えて頭にハテナを浮かべた。

総悟くんは腕を組み、楽しそうにニヤニヤしている。


「はい。知り合いの船乗りに貰った薬でして…」


本当は疲れが取れる薬を送りたかったようだが、間違ったらしい。

さすが辰馬さん。

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お茶(プロフ) - アルムさん» 素敵なコメントありがとうございます!!心の支えでございます涙次回作も宜しければ読んでいただけたら光栄です!ありがとうございました!! (2019年11月8日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - お茶さんこんにちは! 番外編完結おめでとうございます。1シリーズのときからずっと好きで毎日読んでいました。お茶さんの綴る文章、大好きです。毎日お疲れ様です。次回作も楽しみにしています。 (2019年11月8日 23時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みゃんさん» わぁぁあコメントありがとうございます!続き頑張って書きあげますね!! (2019年9月4日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みゃん - 一気に読んじゃいました!めっちゃ面白いです!!続きが早く見たいです! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 21dc5ec498 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - あくび少女さん» コメントありがとうございます!ニヤニヤ…( -∀-) (2019年9月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年4月9日 2時

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