子供２５ ページ25
「本当にありがとうございました」
将軍様の護衛兼スキー旅行は無事幕を閉じ、私は土方さんにお礼を言った。
つい昨日の事だから、まだふわふわと気持ちが浮ついている。
「俺は何もしてねぇ」
ぶっきらぼうに目を逸らし、煙草に火をつける土方さん。
素直じゃない彼に、ちょっと笑ってしまう。
本当にありがとうございました。楽しかったです。
心の中でもう一度お礼を言い、頭を下げたのだった。
さて、気を引き締めて仕事しよう。
そう思い自室の机に向かうと、そこには山積みの資料が。
「あれ、何でこんなにあるんだ」
旅行前に一通り仕事は終わらせた。
約三日程度でこんなに溜まるものか。…ものか。
自分に言い聞かせながら資料を手に取る。
目を通すと、あぁこれなら私の仕事が増えるのも納得だと声を漏らした。
喫煙者撲滅委員会。
その名の通り、喫煙者を撲滅しようとする会である。
これは総悟くんが率先して立ち上げた会であり、毎年一回はその活動をしようと掲げた。
その年に一回の季節がやってきた。
どこに何を設置するのか、どのポスターをどこに貼るのか、どう撲滅させるのか。
総悟くんにこき使われている二番隊の皆の字が、殴り書きで記されている。
事細かに説明が書いてあり、今年も随分と徹底しているようだ。
まぁ、これは環境問題と健康被害に向き合っているとして行っているものだが
実際は土方さんの行き場をなくそうとしている。
もちろん、そう考えているのは総悟くんだけだが。
彼いわく、自らの手を汚さず、外から固めて陥れる作戦らしい。
確かに、ここ最近では喫煙者のイメージはとても悪くなってしまっている。
市民を味方につければ、それは強いだろう。
まぁでも、私は喫煙者がいてもいいとは思うんだよなぁ…。
資料に目を通しながら、そんな事を考える。
晋助兄さんも煙管を時々咥えるけど、悪い匂いだと思った事は一度もない。
それが彼らの娯楽であり息抜きになるなら、吸ってもいいと思うのだ。
問題は副流煙だ。
だからみんなでアイ〇スにした方がいいと思うんだよね。
まぁ喫煙者なんて銀ちゃんの糖分摂取に比べたら…。
「あ」
そこで私は思いつく。
提案書、という物を取り出し、つらつらと文を並べる。
そしてこっそりと、その喫煙者撲滅委員会のファイルに忍ばせた。
総悟くんがこの議案を見てどう解釈してくれるかによるけど。
上手く行けば…。
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お茶(プロフ) - アルムさん» 素敵なコメントありがとうございます！！心の支えでございます涙次回作も宜しければ読んでいただけたら光栄です！ありがとうございました！！ (2019年11月8日 23時) (
レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - お茶さんこんにちは！ 番外編完結おめでとうございます。1シリーズのときからずっと好きで毎日読んでいました。お茶さんの綴る文章、大好きです。毎日お疲れ様です。次回作も楽しみにしています。 (2019年11月8日 23時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みゃんさん» わぁぁあコメントありがとうございます！続き頑張って書きあげますね！！ (2019年9月4日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みゃん - 一気に読んじゃいました！めっちゃ面白いです！！続きが早く見たいです！ (2019年9月3日 22時) (レス) id: 21dc5ec498 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - あくび少女さん» コメントありがとうございます！ニヤニヤ…( -∀-) (2019年9月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶
| 作成日時：2019年4月9日 2時
