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子供22 ページ22

「そうそう、それでいいんだよ」


銀ちゃんはそう言うと、そのままゆっくり目を閉じる。

私が頭を銀ちゃんの肩に乗せると、彼はその上から自分の頭を私の頭に重ねた。

身を寄せ合い、暖かい体温を感じ合う。

そのまま私達は寝てしまったのだった。





起きた時には、隣で寝ていた旦那はいなくなっていた。

どれくらい寝たのだろうか。

時計を確認すれば、三十分も寝ていなくて。

窓の外を見ればまだ強い風が吹いていた。


「銀ちゃん?」


呼ぶと、「ほーい」と気の抜けた声がキッチンから聞こえる。

毛布を畳み立ち上がって声のした方へ行くと、何かを作っているようだった。

勝手にここのものを使ってもいいのだろうか、頂いてもいいのだろうか…。

肩をちょんちょんっと叩くと、彼は二つのカップを両手に持ち振り向いた。


「コーヒー、飲むだろ?」


カップからは湯気が揺らいでいて、コーヒー独特の香りが鼻先をくすぐる。


「そんな物あったの?しかもこのカップも高そう…」


そう言うが、内心少しワクワクしている自分がいる。

二人暮らししたら、こんな感じなのだろうか、と。

こうして銀ちゃんがコーヒーを入れてくれることなんて、普段なら絶対ありえないけど。

でももし、二人で同じ朝を同じ部屋で迎えたら、こうした生活なのかもと想像してしまう。


「なぁににやけてんだ。ほれ、座って飲もうぜ」


銀ちゃんはそのまま机まで運ぶ。

机を挟んで私の正面に腰を下ろしたので、私も席に着いた。


「腹減ったなー。食いもんはなかったんだよ」


「時間的には夜ご飯の時間だもんね…」


時刻は午後七時。

そろそろ吹雪が収まるまで出れない、なんて言ってらんない時間帯になってくる。

早くここを出てみんなのところへ戻らなくては。

将軍様は大丈夫だろうか…。


その時。


ドンドンッ!!と、ドアが激しく叩かれる音がした。


ビクッとし、二人して玄関のドアを凝視する。


「か、風かな…」


「お、おう…気のせいだよな」


お互いに確認し合い、暗示をかける。

しかし、その激しいノック音は続く。

さらに強さをまし、怖くなった私は席を立ち銀ちゃんの後ろに隠れる。


「ど、どうしよう…」


その時だった。

バンっとドアが空いた。

思わず目を閉じる。


「オラァ…迎えに来たぞバカ夫婦!!」


聞き覚えのある声がしたので顔をあげれば、雪まみれになった土方さんがものすごい形相でこちらを睨んでいた。

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お茶(プロフ) - アルムさん» 素敵なコメントありがとうございます!!心の支えでございます涙次回作も宜しければ読んでいただけたら光栄です!ありがとうございました!! (2019年11月8日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - お茶さんこんにちは! 番外編完結おめでとうございます。1シリーズのときからずっと好きで毎日読んでいました。お茶さんの綴る文章、大好きです。毎日お疲れ様です。次回作も楽しみにしています。 (2019年11月8日 23時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みゃんさん» わぁぁあコメントありがとうございます!続き頑張って書きあげますね!! (2019年9月4日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みゃん - 一気に読んじゃいました!めっちゃ面白いです!!続きが早く見たいです! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 21dc5ec498 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - あくび少女さん» コメントありがとうございます!ニヤニヤ…( -∀-) (2019年9月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年4月9日 2時

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