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子供21 ページ21

「あー、ざびぃー」


鼻水を垂らし、私にくっつく銀ちゃん。

あまりに近い距離に、心臓が加速する。

私はドキドキして暑いんですけど…!!


けどさすが私、冷え性。

指先はずっと冷たいままだ。

暖炉に手をかざし、指先を温める。

すると、その様子を見ていた銀ちゃんが、そっと私の手を取った。

恋人繋ぎに握り直し、指の腹で撫でられる。


「冷てえ」


すると、自分の口元へそれを持っていき

チュッとキスを落とした。


「なななな何にしてるの!!!??」


「何って、温めてるんやで」


ニッと歯を見せ無邪気に笑う銀ちゃん。

その可愛らしい笑顔に、怒るにも怒れなくなってしまった。


「俺さー、Aちゃんに激甘になっちまったよなー」


ポケーっと火を見ながら、そんな事を呟く彼。


「そう…だね」


思い返してみれば、小さい頃は言い合いばかり。

本物の兄妹のように、毎日喧嘩していた。


まさかこんな関係になるとは、思っていなかった。


「坂田Aさんは、結婚してから何か変わりましたかー」


棒読みで聞いてきたので、銀ちゃんをチラッと横目で見る。


「うん、変わった」


「おっ、なになに、教えてくれよ」


「銀ちゃんの事がもっと好きになった」


フッと笑って、そう言ってみた。

なぜか銀ちゃんは唖然としていて、目を徐々に大きく開いていく。


「自分が予想以上に欲深くなった。二人暮らししたいとか、毎日ご飯を作ってあげたいとか、もっとそばに居たいとか」


ポツリポツリと話せば、銀ちゃんは徐々に目を細めていく。


「それ、俺もなんだけど」


優しく口角を上げ笑う銀ちゃん。

あまりにも優しいその表情に、胸が苦しくなる。


「何でだろうね、こんなにも幸せなのにまだまだ足りないって思っちゃうのは」


「その方が俺はいいと思うけどな。Aは昔っから欲がねぇから、それくらい我儘なくらいが丁度いいんだよ」


繋いでいた手が離れ、頭にポンっと彼の手が乗った。

ゆっくり撫でてくれて、気持ちよくて目を瞑る。


「今で十分、じゃなくてよ。もっともっと求めて、もっと幸せになろうぜ」


銀ちゃん…。

その言葉に、泣きそうになった。

鼻の奥がツンとして、目頭が熱くなる。

幸せって、簡単に口に出してはいけないものだと思ってた。

簡単に欲しいと思ってはいけないものだと。

でも、そうじゃないんだね。


「うん、幸せになる」

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お茶(プロフ) - アルムさん» 素敵なコメントありがとうございます!!心の支えでございます涙次回作も宜しければ読んでいただけたら光栄です!ありがとうございました!! (2019年11月8日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - お茶さんこんにちは! 番外編完結おめでとうございます。1シリーズのときからずっと好きで毎日読んでいました。お茶さんの綴る文章、大好きです。毎日お疲れ様です。次回作も楽しみにしています。 (2019年11月8日 23時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みゃんさん» わぁぁあコメントありがとうございます!続き頑張って書きあげますね!! (2019年9月4日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みゃん - 一気に読んじゃいました!めっちゃ面白いです!!続きが早く見たいです! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 21dc5ec498 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - あくび少女さん» コメントありがとうございます!ニヤニヤ…( -∀-) (2019年9月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年4月9日 2時

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