子供48 ページ48
前のめりに倒れた佐々木さん。
銀ちゃんを見れば、片手には木刀を持って首を鳴らしていた。
「佐々木くーん、物騒なもん持ってるじゃーん」
倒れた佐々木さんの胸元から出てきたのは、短刀だった。
カランカランっと軽い音を立て、総悟くんの足元に滑り込む。
それを拾い上げると、彼はマジマジと刃を見つめ出した。
「なんか塗られてるなァ。見たところ、毒薬かなんかですかねィ」
…本当に何が目的なの。
その短刀を器用に回す総悟くん。
刃の部分が怪しく光ったのが見えた。
総悟くんを睨みながら立ち上がり、彼は冷静な目で今度は私を見た。
「僕はAさんのそばに居たいだけなんです。貴方みたいな人は薄汚れた真選組になんていてはいけない。僕と一緒にいれば、きっと幸せな人生が送れて」
何を口走ったのか知らないが、私の体はもう先に動いていた。
彼の口を強引に手のひらで抑え込み、力を入れる。
「薬なんか利用して真っ向から向き合えない人間が、真選組を貶さないでください」
バカにするな。
私が好きな居場所を、私が大切にしている人達のことを。
それ以上悪く言うな。
ふつふつと怒りが湧き上がってきた。
それを見た銀ちゃんは、木刀を腰に刺し、私の手首を掴み下ろさせた。
「落ち着け。ただのストーカーだろ」
それ以下もそれ以上もない。
銀ちゃんが口にしたその答えが、彼にとって最悪な言葉だろう。
ヒクッと目元を痙攣させ、銀ちゃんを睨んだ。
「僕をストーカーと呼ぶのなら、貴方はどうなんですか。真選組の周りをいつも歩き回っていましたよね」
「え、そうなの銀ちゃん」
ギョッとして、私の手をまだ掴んでいた彼の手を振り払う。
すると、焦ったようにダラダラと汗をひたいから流し始めた。
「は、はぁ?歩き回るだァ?それ銀さんじゃないし、絶対違う人だしぃ!」
「嘘だ!!銀ちゃん嘘つくと頭かく癖あるもん!!」
「そういうの知られてんの、ちょっと嬉しいと思いましたすいませんんんん!!」
「もう何してたの!?はっ、まさかだけど土方さんが気になって」
「んなわけあるか!!!」
くだらない掛け合いをこれ以上続けるのは、懸命ではないはず。
少なくとも総悟くんは呆れていた。
「夫婦漫才は俺の仕事でさァ旦那。やめてくだせィ」
「うるせぇ!てめぇは仕事しろ!!」
846人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
お茶(プロフ) - 狼さん» ご指摘ありがとうございます!注意書きにもありますが、原作と他は多々違うところがありまして、、!このお話の都合上3番隊の人数を増やしておりまして汗申し訳ありません汗 (2019年10月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
狼 - すみません…今更なんですけど…子供扱い45のところの『三番隊の連中』ってあるじゃないですか…三番隊って…斉藤終しかいないんですよ…(コゴエ (2019年10月9日 20時) (レス) id: a55c73a212 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みのりさん» ありがとうございます!!これからも頑張ります!!ぜひ子供扱い2子供扱い3も見てくださいね! (2019年1月22日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みのり - 面白い展開ですねw。これからも頑張ってください!! (2019年1月22日 15時) (レス) id: f121079414 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - Fall ill appleさん» うわぁぁあコメントありがとうございます!訂正しておきます! (2019年1月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:お茶 | 作成日時:2018年8月25日 0時