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子供1 ページ1

「銀ちゃん…銀ちゃん…」


「…んぁ?」


桜咲く季節。

暖かい風と共に運ばれる、甘い香り。

目の前で鼻ちょうちんを膨らます少年を揺さぶるが、起きる気配がない。


「団子用意したのに…起きてよ」


「ダンゴ!!!」


三色団子を片手に揺さぶり続ければ、彼は「団子」というフレーズに釣られようやく目を覚ましたようだ。

もう…なんで私の声じゃ起きないのよ。


「松陽先生にまた怒られちゃうよ?こんな所で寝てたら」


「いーんだよ。早く口にちょーだい、そのだんご3兄弟」


わざわざ木に登ってまで起こしに来てあげたのに。

団子まで用意してあげたのに。

ほんっと、この男は…。

あんぐりと口を開けたので、容赦なくツッコむ。


「ンゴォォ!!!」


「バカ銀ちゃん、もう知らない!」


サッと木から飛び降り、べーっと舌を出してみせる。

死んだ魚の目で私を見下ろす彼は、涙目になりながらむしゃむしゃと口を動かしていた。


「女っ気ねーな、A〜。そんなんじゃ誰もおめぇのこと拾ってくんねーぞ」


「それは銀ちゃんでしょ!?わがままな男は嫌われるよ!」


「はぁ!?喉に団子突き刺してくる女よりよっぽどワガママな方が可愛げあると思いますけどぉ!?」


ムカつく!!!

ふてぶてしい態度をとる銀ちゃんに嫌気がさしていると、後ろから声がした。


「コラコラ、女の子をいじめるなんて…銀時、降りてきなさい」


「松陽先生!!」


優しい声に振り向けば、恩師の松陽先生が。

銀ちゃんを呆れた様子で見上げている。

彼の元に走れば抱きとめてくれて、頭を何度も撫でてくれた。


「女には優しいよな、松陽は」


やれやれ、と言ったように飛び降りた銀ちゃん。


「松陽先生は大人なの!大人な男性なの!」


「なに言ってんだお前。男は皆、心ん中に野獣を潜めてんだよ。どうせ松陽だってあんなことこんなこと考えて…」


「そんな話してないでしょーが!」


ありえないありえない!!

絶対そんなことないもん!!


パッと見上げ松陽先生を見ると、微笑みを崩さず私に笑いかけてくれた。


「もし本当に私がそうであったとしても、Aは私に着いてきてくれますか?」


「はい!もちろんです、先生!」


命の恩人、私の親同然の先生。

そんなの、当たり前だ。

子供2→



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お茶(プロフ) - 狼さん» ご指摘ありがとうございます!注意書きにもありますが、原作と他は多々違うところがありまして、、!このお話の都合上3番隊の人数を増やしておりまして汗申し訳ありません汗 (2019年10月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
- すみません…今更なんですけど…子供扱い45のところの『三番隊の連中』ってあるじゃないですか…三番隊って…斉藤終しかいないんですよ…(コゴエ (2019年10月9日 20時) (レス) id: a55c73a212 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みのりさん» ありがとうございます!!これからも頑張ります!!ぜひ子供扱い2子供扱い3も見てくださいね! (2019年1月22日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みのり - 面白い展開ですねw。これからも頑張ってください!! (2019年1月22日 15時) (レス) id: f121079414 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - Fall ill appleさん» うわぁぁあコメントありがとうございます!訂正しておきます! (2019年1月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2018年8月25日 0時

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