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花束40 ページ40

「私…最初は坂田さんの事いいなって少し思っただけで、後はいつも通り猫被れば落とせるって、失礼なこと考えていたんです…」


今まで作ってきた彼氏もそうしてきたと、何度も息を吸いながら話し出した。

少しいい顔をすれば、男はすんなり自分の手の中に落ちてくる。

多田も、もしかしたら昔の俺に似てたのかもしれねぇな。


「そしたら坂田さん、私のスッピン見てもケロッとしてるし、どんなにアプローチしても素っ気ないし…なのに私が本気で困ってる時には助けてくれるし…」


ハンカチを無理やり渡すと、真っ赤になった眼を開き、今度はクスッと笑う。


「ほら、私がプレゼントしたハンカチだって使ってくれてる…もう、本気で好きになるしかないじゃないですか!!!」


心の底から、俺はこの子を抱きしめたいと思ってしまった。

でも、俺にはそんなことする資格もない。

それに、多田に失礼だ。

これが本物の恋愛ってやつなのか。

俺は初めて、真っ直ぐ向けられた気持ちに気づいた。


「私…私…」


「多田さん」


俺は、彼女の頭にそっと手を置いた。

ゆっくり撫でてやると、目を丸くした彼女と目が合った。

もう涙は止まっていて、何度もこすったせいか腫れていた。


「俺、本気の恋愛とか、今までしたことなくて。恥ずかしいっすよね、もう24なのに。けど、そんな俺に気づかせてくれた人がいたんです。それが今の俺の好きな人」


可憐で、おしとやかで、輝いて見える。

俺とは別世界の彼女の事を思い浮かべる。


「でも、まだ気づいてないものがあった。それ教えてくれたの、多田さんです。俺に向けられた好意の真っ直ぐさってやつ。ガキな俺は今までそんな綺麗な気持ちまで無視してきてたんすよ。けど、そんな大切なものがあるんだって気づかせてくれたの、多田さんっすよ。本当に、ありがとうございます」


笑ってもう一度撫でると、多田はゆっくりと目を閉じた。

手を離すと、彼女は笑ってくれた。


「よかった…私も、本物の恋愛ができました」


濃かった化粧。偽っていた性格。着飾っていた生活。

その全てを変えてくれたと、俺に向かって笑う多田。

その笑顔は、何もかも吹っ切れたかのような

そんな清々しい表情だった。

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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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お茶(プロフ) - ginさん» 暖かいコメント本当にありがとうございます!私の妄想癖が爆発した作品です...笑アニメ化なんてとんでもない!笑 今連載中の作品も坂田銀時メインなので、ぜひよろしくお願いします!ご愛読ありがとうございました!!ヽ(*´∀`)ノ (2018年9月4日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - そして、完結お疲れ様です!他の作品も頑張ってください!応援しています! (2018年9月4日 21時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - とても面白かったです!一気読みしちゃいました笑笑銀さんおしの自分にとってまじで最高の作品でした!読み終わった時に、あぁ、こんな恋愛してみたいなーなんて思ったり笑笑心が暖まるあったかいお話でした!アニメ化なんないかな?笑笑 (2018年9月4日 21時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - おもしろくて一気読みしてしまいました!! 完結お疲れ様です◎ 心がホッとするような、何かに気付かされるような、そんな素敵な作品だと思いました。これからの作品も楽しみにしています (2018年9月2日 11時) (レス) id: 451abd5f16 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 暁さん» 心温まるコメント本当に本当にありがとうございます!!実は、書きながら模索してストーリーを作っていくのですが、こうしたら読者も予想できない展開になるはず...で辿り着いたのが高杉元カレでした笑笑他の作品も読んでいただき光栄です!ありがとうございます! (2018年9月2日 3時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2018年6月10日 2時

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