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花束31 ページ31

結局、俺は仕事終わりに近くのカフェに寄った。

人一倍オーラを放つ菜々を見つければ、こちらに気づいた彼女は軽く手を振った。


「はい、座ってくださいね」


2人用のテーブル席に座るよう促され、彼女の真正面に腰を下ろした。

黒い塊が底に溜まったカップ1個。

コーヒー1杯でよく粘ったな。


「なぁ、なんか頼んでもいい?」


「私も飲みたい」


近くにいた店員に声をかけ、2人ともカフェラテを頼んだ。

かしこまりました、と頭を下げた女性店員。

ボーっと歩く後ろ姿を見ていたら、肩をちょんちょんっと叩かれた。


「ああいう子がタイプ?」


「は…?あ、あぁ、今の店員?別にそんなこと」


「でも、雰囲気は花屋のAさんに似てるじゃない」


「おい、ちょっと待て。んでAの事知ってんだよ。今日はいなかったぞ」


「前から知ってたのよ、あの店。 弟さんがいたのは知らなかったけど」


ということは、なんだ。

俺が見つけた同じ時期に、奈々も見つけたのか。

それか、それより前。

すると菜々は、手を組み少しだけ口角を上げた。


「もしかして、もう付き合ってたりするの?」


何言ってんだ、こいつ。

何が言いてんだ。


「…どういう意味だよ」


「昔から流されやすいって言ってるのよ。その子、どうせ銀時に惚れてるでしょ?」


ダメだ。感情的になるな。

もう大人なんだ。恋愛も腐るほどしてきた。

その都度女に罵声を浴びせられてきた。

これくらいの事で、感情的になるんじゃねぇ。






「また1ヶ月付き合って終わりになるの?」






そう、一言言われた時。

まだ冷静を保ってはいたが、かなり感情を表に出し、それが声音に出てしまった。



「菜々、別に俺はお前を嫌いじゃねぇし、むしろ感謝してる記憶の方が多い。けどよ、Aだけは今までの彼女と同じにしてほしくねぇんだけど」


惚れやすくて、男が隣にいねぇと安心しなくて、ねだってねだって好きなもん手にして満足する女じゃねぇんだよ。

そんな女達と一緒にすんな。

Aは、そういう人じゃねぇ。



「そ、そう…銀時、もしかして好きなの?Aさんのこと」


「惚れてる。今まで以上に本気で。わりぃけど、もう菜々と話すことねぇから、帰るわ」


呆然とする彼女と目も合わせず、テーブルに1000円を置き俺は店を出た。


これだから、女はめんどくせぇ。

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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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お茶(プロフ) - ginさん» 暖かいコメント本当にありがとうございます!私の妄想癖が爆発した作品です...笑アニメ化なんてとんでもない!笑 今連載中の作品も坂田銀時メインなので、ぜひよろしくお願いします!ご愛読ありがとうございました!!ヽ(*´∀`)ノ (2018年9月4日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - そして、完結お疲れ様です!他の作品も頑張ってください!応援しています! (2018年9月4日 21時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - とても面白かったです!一気読みしちゃいました笑笑銀さんおしの自分にとってまじで最高の作品でした!読み終わった時に、あぁ、こんな恋愛してみたいなーなんて思ったり笑笑心が暖まるあったかいお話でした!アニメ化なんないかな?笑笑 (2018年9月4日 21時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - おもしろくて一気読みしてしまいました!! 完結お疲れ様です◎ 心がホッとするような、何かに気付かされるような、そんな素敵な作品だと思いました。これからの作品も楽しみにしています (2018年9月2日 11時) (レス) id: 451abd5f16 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 暁さん» 心温まるコメント本当に本当にありがとうございます!!実は、書きながら模索してストーリーを作っていくのですが、こうしたら読者も予想できない展開になるはず...で辿り着いたのが高杉元カレでした笑笑他の作品も読んでいただき光栄です!ありがとうございます! (2018年9月2日 3時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2018年6月10日 2時

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