花束15 ページ15
「じゃあ、無理やり誘われたって感じか」
「え、えぇ…坂田さんもそんな感じなんですね」
大声でAの名前を叫んだ結果、自動的にAが俺と向かい合わせになった。
誤解を招きたくないため、合コンに参加した理由を細かく説明した。
それにしても…。
今日のAは、一段と可愛い。
白い半そでのシャツを、淡いピンク色のロングスカートにインしている。
普段していない花のピアスが光り、普段よりしっかりと、けど薄く施された化粧はよく似合っている。
相変わらず長いまつ毛が揺れるたび、俺の心臓が跳ねる。
この距離でも分かる彼女の香りは、あの店の香りがした。
「合コン、初めてで…坂田さんがいらっしゃって安心しました」
「俺もAがいて安心したよ。まぁ、今日はリラックスして飲もうぜ」
本当に安心したらしく、俺の一言で一気に肩の力が抜けたように見えた。
緊張してたんだな。
「では、乾杯といきますか」
しばらくAと話していたら、いつの間にか自分の手元にジョッキが配られていた。
仕切りだしたヅラの合図に合わせ、各々がジョッキを軽くぶつける。
ひんやりとしたビールを喉に流し込めば、気分が上がってきた。
うっめぇ。
「あれ、A飲まねぇの?」
「私、アルコール弱くて…少しずついただこうと」
「へー、Aらしいな」
「あ、また子ども扱いですか?」
「ちげぇよ、なんか可愛いなって」
何気なく言ったその一言。
会話が止まったので不思議に思い顔を上げれば、一口もアルコールを摂取していないのに顔を真っ赤にさせたAがいた。
お、おいおい…んだよその反応。
「こっち、見てくんねーの?」
Sスイッチ、ON。
目をそらし恥ずかしそうにする彼女をからかいたくなってきた。
「だ、だって、坂田さんがそんなこと言うから」
「坂田さんじゃなくて下の名前で呼んでほしーなー」
「もうっ!」
あり、怒らせたか?
顔をそっぽに向け、頬を膨らますA。
なんなんだ、この愛らしい生き物は。
「わりぃ、Aが面白くて言い過ぎちまった」
「面白くないです!坂田さんの意地悪」
「だからわりぃって」
こそばゆい会話は、俺の飲むペースを速めた。
幼い頃経験した初恋の様だ。
子供に戻った様な気分になっちまう。
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お茶(プロフ) - ginさん» 暖かいコメント本当にありがとうございます!私の妄想癖が爆発した作品です...笑アニメ化なんてとんでもない!笑 今連載中の作品も坂田銀時メインなので、ぜひよろしくお願いします!ご愛読ありがとうございました!!ヽ(*´∀`)ノ (2018年9月4日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - そして、完結お疲れ様です!他の作品も頑張ってください!応援しています! (2018年9月4日 21時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - とても面白かったです!一気読みしちゃいました笑笑銀さんおしの自分にとってまじで最高の作品でした!読み終わった時に、あぁ、こんな恋愛してみたいなーなんて思ったり笑笑心が暖まるあったかいお話でした!アニメ化なんないかな?笑笑 (2018年9月4日 21時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - おもしろくて一気読みしてしまいました!! 完結お疲れ様です◎ 心がホッとするような、何かに気付かされるような、そんな素敵な作品だと思いました。これからの作品も楽しみにしています (2018年9月2日 11時) (レス) id: 451abd5f16 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 暁さん» 心温まるコメント本当に本当にありがとうございます!!実は、書きながら模索してストーリーを作っていくのですが、こうしたら読者も予想できない展開になるはず...で辿り着いたのが高杉元カレでした笑笑他の作品も読んでいただき光栄です!ありがとうございます! (2018年9月2日 3時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2018年6月10日 2時