拗らせ王子と純情娘 4 ページ4
〜A side〜
「あー、ショッピですか」
「私嫌われてるのかしら…」
職員室前。
授業が始まる10分前、トントン先生を捕まえて話しかけてしまった。
教員の中で一番歳が近くて仲良くさせていただいている同僚だ。
次の授業は私のクラスらしいので、ちょっとだけ相談に乗ってもらうことに。
そのクラスの一人、ショッピくんについてである。
実は私、担当クラスを持つのは初めてで、未だに手探りで緊張している。
クラスを持つと教員は生徒の反応に敏感になり、特に暗かったり冷たい態度をとる生徒は不安になってしまうのだ。
その生徒というのが正しくショッピくんな訳なのだが。
「私にだけ冷たいというか、こう…担任の先生が私だと頼りなくて話せないのかしら。他の生徒に比べて距離が遠く感じてしまうんです」
「ほー…。気の所為じゃないっすかね。っていうか、俺から見たらその逆やと思いますけど」
「逆?それってどういう…」
「まぁ相手は思春期の男子やし、そんな深く考えんくてもええと思いますよ」
爽やかな笑顔で言われてしまい、確かに一人の生徒に執着するのもおかしな話だと納得した。
「それじゃあ数学の授業よろしくお願いします」
「まぁ少しショッピの反応伺って授業やってみますわ」
「ありがたいです」
ヒラヒラっと軽く手を振り教室に入っていったトントン先生。
彼の背中を不安げに見つめていると、チャイムが鳴ってしまった。
い、いけない、次は三年生のクラスだ。
駆け足に階段をのぼり勢いよくクラスのドアを開ける。
「ご、ごめんね、一分遅れちゃった」
「Aちゃん次俺らのクラスだって忘れてたやろー」
クラスのムードメーカーのシャオロンくんが笑いながらシャーペンを回す。
彼の後ろの席のコネシマくんも便乗して「せやぞー」と。
…あの二人はショッピくんとチーノくんと仲がよかったような。
確か四人は中学が同じで、お昼休みなどよく一緒にいる姿を見かける。
先輩と後輩のコンビなのに仲が良いなんて珍しいなーと思っていたけど。
その三人と話している時、無邪気に笑うショッピくんの笑顔を見たことがあるのだ。
あんな風に笑うんだってビックリしたっけ。
…あの二人にショッピくんのことを聞けば、もしかしたら彼の性格が分かるかもしれない。
分かれば少しはショッピくんの事が理解できるかも。
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てきとーさん - チヨちゃぁん……チヨちゃんっ!幸せになってくれ… (2021年1月21日 7時) (レス) id: 2e24d3a77d (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みかげさん» わぁありがとうございます!!泣 チヨちゃん可愛いですよね!?(?) (2020年9月7日 23時) (レス) id: 439e2c470d (このIDを非表示/違反報告)
みかげ(プロフ) - 完結おめでとうございます……!!shp君……君イケメンすぎん!?ってかチヨちゃんかわ……チーノさん羨まし(殴)めちゃめちゃおもろかったです!!ありがとうございました! (2020年9月7日 17時) (レス) id: 946825ef56 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 粉みるく。さん» ちょっと見たいというコメを見たので、、、! (2020年7月13日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
粉みるく。(プロフ) - ば、番外編…w わーいチヨちゃんだぁぁぁぁ! (2020年7月13日 23時) (レス) id: 091f5a802b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2020年5月20日 1時