拗らせ王子と純情娘 ２３ ページ23
〜ci side〜
「ショッピ、お前あれ見てよう動揺せんといられんなぁ…」
「…ろす」
「へ？」
「あのブタぜってぇ殺したる」
「表情筋どうなってんねん…」
教室に戻り死んだ目で席に座った友人は、無表情でとんでもないことを言い出す。
まぁあれ見たら無理もないわなぁ…。
どうみても交際スタートしとる雰囲気やった。
きっとあの赤いネクタイはA先生がプレゼントしたのだろう。
飯に誘った誘われた騒動もあったし、仲がいい二人を見る機会も増えた。
二人の関係を噂する生徒もチラホラ出てきたが、もし今の場面が女子の目に止まればとんでもないスピードでそれは広まりそうだ。
「付き合っとるんかなぁ〜」
「チーノ？」
「あーちゃいますちゃいます、なんも言うてません」
両手を上げ必死に首を振る。
…まぁ、一人の友人としてアドバイスでもするか。
彼の前の椅子に跨るように座り、死んだ目と目を合わせる。
「チヨちゃんは既婚者や」
「…は？」
「でも可愛ええし話もおもろいし、熟女やし。俺はめっちゃ好き」
指を折ってチヨちゃんのいい所を数えていく。
美魔女判定を容易くクリアしたチヨちゃんを越す熟女は未だ現れていない。
「俺の場合はガチ恋ではないからショッピの気持ちと比べたらちっさいけど、好きな人とおられる時間って最高やで」
まるでいいことを言っている風に装い親指を立てると、その指をギュッと掴まれた。
ググッと力が込められていく。
「いたたたた！！折れるわ！！！何してんねんアホ！！！」
勢いよく振り払い涙目で叫べば、ショッピはニタァと不敵に笑った。
「あぁ、そうか。略奪愛…ッヒヒ」
「な、なんておっしゃいましたか」
「チーノの助言をよう理解した結果」
「えっと、んっと、話聞いとった？」
あらぬ方向に向いてしまったショッピに苦笑い。
略奪愛って、不倫ドラマやーん。
闇落ちしたショッピをどうすることも出来ず諦めて次の授業の準備をする。
…あんな恋愛に貪欲になるショッピが面白いのも事実だが、毎度毎度本当にショッピ本人なのか疑いたくなる。
それほどショッピを夢中にさせたA先生はなんとも罪な女だ。
そういえば。
ショッピからA先生を好きになったきっかけ聞いた事ないな。
ただ今のメンタルの奴にこの話をふれば、俺は確実に殺されるだろう。
俺とチヨちゃんの出会いは…
と、自分とチヨちゃんの思い出を掘り返し浸りだしたのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 616人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てきとーさん - チヨちゃぁん……チヨちゃんっ！幸せになってくれ… (2021年1月21日 7時) (
レス) id: 2e24d3a77d (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みかげさん» わぁありがとうございます！！泣 チヨちゃん可愛いですよね！？(？) (2020年9月7日 23時) (レス) id: 439e2c470d (このIDを非表示/違反報告)
みかげ(プロフ) - 完結おめでとうございます……！！shp君……君イケメンすぎん！？ってかチヨちゃんかわ……チーノさん羨まし(殴)めちゃめちゃおもろかったです！！ありがとうございました！ (2020年9月7日 17時) (レス) id: 946825ef56 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 粉みるく。さん» ちょっと見たいというコメを見たので、、、！ (2020年7月13日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
粉みるく。(プロフ) - ば、番外編…w わーいチヨちゃんだぁぁぁぁ！ (2020年7月13日 23時) (レス) id: 091f5a802b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：お茶
| 作成日時：2020年5月20日 1時
