拗らせ王子と純情娘 １１ ページ11
「じゃあ例文見てみましょうか」
綺麗な声が響くは教室。
一番後ろの席でボーッとA先生を見つめる。
A先生から誘ったんかな。
でもそんな言い方しとったしな、あのイケメン教師は。
理由まではさすがに教えてくれなかった。
どんな経緯でどんな理由で食事に誘ったか知らないが、とにかく楽しそうに笑うトントン先生に腹が立ったのは間違いない。
あの上から目線な言い方や煽るような薄ら笑い。
ちょっと顔が良いからって調子乗りすぎやあの教師。
…英語の単語テストは満点を取ってしまったし、今のところA先生と二人っきりになれる場面はない。
あー、集中出来ひん。
「じゃあ…ここ、ショッピくん、読んでみましょうか」
「はい」
うつ伏せで寝ていた俺が急に立ったので、周りがざわめき出す。
スラスラ英文を読めばA先生は「う、うん、いいね」と動揺している様子。
いくら集中出来ないと言ってもA先生の声を聞き逃したことはない。
キモイ？いやちゃいますよー、愛ですよ愛。
授業終わり。
大量のノートを回収したA先生がそれを持ち上げようと袖をまくっていた。
細い白い腕が顕になり、ガッと音を立て立ち上がる。
「先生、手伝います」
「あ、ほんと？わぁ助かるなぁ」
急いで教卓の前に行きクラス全員分のノートを持ち上げる。
「袖戻してください」
「ん？あぁ、ありがとー」
そろそろと整え始めたので気にしないフリして歩き出した。
変態？いやちゃいますよー、愛ですよ愛。
先に歩き出した俺に追いつくように、パタパタと小さな足音が隣に並んだ。
「これ職員室までなんだけど、そこまで運んでくれる？」
「はい」
「ふふっ、積極的にありがとうね」
両手を合わせ笑顔でお礼を口にしてくれる。
…っく、かわい。
せっかく物にしたチャンスも、A先生と並んで歩いているという事実のせいで頭が真っ白になり会話がほとんどなく終了してしまった。
無事職員室到着である。
「えっと、あそこなんだけど」
知ってます、あそこはA先生の席っすよね。
ストーカー？いやちゃいますよー、愛ですよ愛。
まぁそんなことはさておき、俺は言われた通り彼女のデスクに教科書を置いた。
チラッと隣を見ればトントン先生が座っていて。
おー、視界に入っとらんかったけどこいつ隣なんか。
よし、殺そう。
「ボランティアか？偉いのぉショッピ」
「別に」
そっぽを向けば楽しそうに笑われる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 616人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てきとーさん - チヨちゃぁん……チヨちゃんっ！幸せになってくれ… (2021年1月21日 7時) (
レス) id: 2e24d3a77d (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みかげさん» わぁありがとうございます！！泣 チヨちゃん可愛いですよね！？(？) (2020年9月7日 23時) (レス) id: 439e2c470d (このIDを非表示/違反報告)
みかげ(プロフ) - 完結おめでとうございます……！！shp君……君イケメンすぎん！？ってかチヨちゃんかわ……チーノさん羨まし(殴)めちゃめちゃおもろかったです！！ありがとうございました！ (2020年9月7日 17時) (レス) id: 946825ef56 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 粉みるく。さん» ちょっと見たいというコメを見たので、、、！ (2020年7月13日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
粉みるく。(プロフ) - ば、番外編…w わーいチヨちゃんだぁぁぁぁ！ (2020年7月13日 23時) (レス) id: 091f5a802b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：お茶
| 作成日時：2020年5月20日 1時
