隣人さん ４１ ページ41
困惑する社員の間を縫って手を引かれる。
「ちょ、Aちゃん付き合ってたの...！？」
腰を上げこちらに声をかける中野先輩。
するとコネシマくんが振り向き、見たことも無い冷たい目で中野先輩を制した。
「じゃお疲れっしたー」
☕
「A？」
店の外に出て思いっきり手を振り払う。
分かりやすく怒りながら先に歩くと、コネシマくんが弱々しく声をかけてきた。
「ちょ待ってや、何怒っとるん」
「あのままちゅーしようとしてたでしょ」
立ち止まって顔を見ずにそういえば、先回りして顔を覗かれる。
「私が止めなかったら絶対ちゅーしてた！！」
「ッハッハッハ！いやせんわ！言うたやん、キス嫌いやって」
「あぁ！！じゃあキス以外だったらやってたんだ！ハグとかだったらやってたんだ！！」
「おー、まぁハグくらいやったらどうやろな〜」
「〜〜〜！！バカ！！もう信用しないぞバカヤロー！！」
人がすれ違う街中で大声で怒鳴る私。
ジロジロ見られるがそんなの知ったこっちゃない。
すると、コネシマくんにもう一度手を繋がれる。
「ごめん、Aが妬いてんの可愛すぎていじめてもうた。A以外チューもギューもせーへんわ」
...もう。
そんなこと言われたら許しちゃうじゃないか。
☕
結局そのまま家まで送ってくれた。
玄関の前でムスッとすれば頭を撫でられて。
「まだ怒っとるんかー？」
こいつめ。
皆の前では大人ぶってたのに、二人っきりになるといつもこうだ。
私のこと子供扱いしやがって。
分かりやすく怒りながら睨めばクスクス笑われる。
「Aー、へいへーい」
おでこをツンツンと小突いてきた。
愛おしいなんて感情が溢れてくるが、まだ拗ねている私はついに口に出してしまった。
「...なんか、コネシマくんずるい」
その一言を言えばコネシマくんは笑顔をしぼませた。
「コネシマくんモテるんだよ？同僚とか先輩後輩、みんなコネシマくんのことカッコイイって言ってるんだよ？さっきの飲み会だって狙ってる人たくさんいたんだからね。私だけ焦ってて...もう...」
何言ってるんだ私は。
いつまでも引きづる女は嫌いだといつか言っていたことを思い出す。
だから溢れてきた涙を流さないようにグッと堪えた。
すると、コネシマくんは私の手を優しく握りそのまま引き寄せる。
スポッと大きな胸に収まり背中をよしよしとさすられた。
じわじわと込み上げてきていた涙はついに頬をつたり。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1281人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ろぜ - 軽い気持ちで読んだら大好きになりました！！にやにやが止まりませんね。これからも頑張って下さい！ (6月23日 17時) (
レス) @page50 id: 3f33f1430a (このIDを非表示/違反報告)
ななし - この話すごく大好きです！読んでいてきゅんきゅんしました！これからも頑張ってください！！ (2022年12月12日 19時) (レス) @page50 id: 9bdb69c685 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ - ううううううううううううう！！！！！！！しんじゃう！！！大好きです！！ありがとうございます！！ (2022年3月22日 15時) (レス) @page50 id: 8a217b576f (このIDを非表示/違反報告)
レイ - えrいけどシッマかわえぇぇぇぇ！！！！！！！！！！！ (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 最高かよぉ〜〜〜 (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：お茶
| 作成日時：2020年4月2日 21時
