隣人さん ３４ ページ34
小さくコクンと頷くと、彼は店内に一人で入っていった。
しばらくして私の荷物と自分の荷物を手に持って現れて。
なんで取って来れたの、なんのスキルそれ。
グイッと私の荷物を渡され慌てて受け取る。
「行くで」
その時。
手を、握られた。
初めて繋がれた手に動揺する。
そんな私を放って彼は歩き出してしまった。
…ここで何か言えばこの手は、このゴツゴツとした男らしい手は離れていっちゃうのかな。
少し前を歩く彼の顔を見ることは出来ない。
今どんな顔でどんな気持ちで私の手を引いてるのか分からないが、この手を離したくなかった。
直接伝わる彼の冷たい手の温度が嬉しくて、つい自分もキュッと握り返す。
すると今度は握り直されて、指と指を絡め恋人繋ぎになった。
もうダメだ、嬉しすぎてどうにかなりそう。
骨ばった大きい掌は簡単に私の手を包み込んだ。
手は離れないまま、無言のままだったけど電車に乗って。
私たち恋人同士に見えたりするのかな、なんて。
ずるい事を頭の片隅で考えながら、電車内で少しだけ詰められた距離に胸を高鳴らせたのだった。
☕
２回目、コネシマくん宅。
ほどほどに酔っているから余計緊張してしまう。
鍵を差し込み乱暴にドアを開けたコネシマくんに引っ張られよろけると、バタンと後ろでドアが閉まると同時に抱き止められる。
筋肉質な腕、部屋中と目の前がコネシマくんの匂いでいっぱいで。
歳相応の｢期待｣をしてしまうぞ、と。
そんな思いを込め彼の顔を覗き込めば、彼は頬を少し染めた。
妖艶な眼差しにゼロ距離。
彼の親指が私の下唇をなぞった。
ゾワゾワっと刺激が体全体に走る。
「…ええ？」
消えそうな色っぽい声にキュンと胸が締め付けられ静かに頷くと、彼はゆっくり顔を近づけ。
そして、そっと私にキスを落としたのだった。
軽く触れるだけのキスなのに心臓がうるさい。
けどそれじゃ物足りないというばかりに次のキスが降ってくる。
次第にそれは激しくなっていき、水音が玄関に響いた。
はしたなく口の端から唾液がこぼれる感覚がして頭がぼーっとしだす。
私キス下手なのかな。
途中息苦しくなってしまい、彼のシャツを掴んでいた手で胸板を軽く叩く。
ゆっくり離れていった唇は銀の糸を引いて。
赤面し肩を上下に呼吸を整えていたが、ガクッと腰が抜けた私を大きな腕が支えた。
そしてそのまま私を横抱きにすると雑に靴を脱がされ、彼も蹴り飛ばすように靴を投げ出した。
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ろぜ - 軽い気持ちで読んだら大好きになりました！！にやにやが止まりませんね。これからも頑張って下さい！ (6月23日 17時) (
レス) @page50 id: 3f33f1430a (このIDを非表示/違反報告)
ななし - この話すごく大好きです！読んでいてきゅんきゅんしました！これからも頑張ってください！！ (2022年12月12日 19時) (レス) @page50 id: 9bdb69c685 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ - ううううううううううううう！！！！！！！しんじゃう！！！大好きです！！ありがとうございます！！ (2022年3月22日 15時) (レス) @page50 id: 8a217b576f (このIDを非表示/違反報告)
レイ - えrいけどシッマかわえぇぇぇぇ！！！！！！！！！！！ (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 最高かよぉ〜〜〜 (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶
| 作成日時：2020年4月2日 21時
