隣人さん １２ ページ12
「ただの同僚、ただの同僚、ただの同僚」
湯船に浸りながらお経を唱えるかの如くブツブツ呟いていた。
変に意識したら負けだ。
そう、今我が家のテレビをつけゲラゲラ笑っているチワワはただの同僚なのだ。
風呂場まで声聞こえるぞチワワ、近所迷惑だ即刻やめろ。
「…あがろう」
悶々と考えていてものぼせるだけだ。
シャンプーや洗面器の位置を整えお風呂から上がる。
真っ赤に火照らせた自身の顔が洗面所の鏡に映り、化粧水をペタペタ塗っていく。
あれ、これってもしやスッピン見せるムーブなのでは。
やだぁぁぁぁぁあ！！！
ドライヤーで髪を乾かしたあと、ハンドタオルで顔を隠しながらリビングへ。
「お風呂上がりました適当に入ってください新しい歯ブラシは洗面所にありますそれではおやすみなさい」
ノンブレスで言い切り自室へすぐ立ち去ろうとすると、「ちょー待て待て」と手首を掴まれてしまう。
「めちゃくちゃ顔隠しとるやん、なんで？」
「…スッピンなんです」
すると、小さな声で「見せて？」と言われる。
な、何その甘い声。
あんたそんな声私の前で出した事ないじゃない。
というか見せる必要ないじゃない！！
じわじわと顔と胸が熱くなってきて目を回す。
掴まれた手首はゆっくりと下ろされ、タオルから顔を覗かせてしまった。
きっと顔真っ赤だ、最悪だ。
「なんや、全然可愛いやん」
「…へ？」
変化球が投げられ一気に体温上昇。
可愛い！！！？？？
目の前の彼のことを直視することが出来ず、手を振り払い急いで距離を離す。
「おおおおやすみ！！！！！」
すっごい噛んだ。
もうこれでもかと言うほど心臓はバクバクと鳴り響いていて。
逃げるように自室へと走った。
やばい、何なんだこれ。
こんな気持ち久しぶりだ。
ベッドに仰向けで寝転ぶが全く眠気がこない。
大人の女がむちゃくちゃ緊張している。
手汗出てきそうなくらいやばいのだが。
なかなか落ち着かない心臓のせいで眠ることが出来ずにいると、トントンとドアがノックされる。
え、ちょ、ふぁ！？
「Aさーん起きとるー？歯磨きたいんやけどどのコップ使ったらええのー」
こんな顔真っ赤な状態で出れないのだが。
仕方なしにベッドから出てドアをそっと開ける。
ドアから覗いたコネシマくんはやけに色っぽくて。
お風呂上がりの彼からは同じシャンプーの匂いがする。
それに髪から滴る微量の水滴がより色っぽさを増していた。
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ろぜ - 軽い気持ちで読んだら大好きになりました！！にやにやが止まりませんね。これからも頑張って下さい！ (6月23日 17時) (
レス) @page50 id: 3f33f1430a (このIDを非表示/違反報告)
ななし - この話すごく大好きです！読んでいてきゅんきゅんしました！これからも頑張ってください！！ (2022年12月12日 19時) (レス) @page50 id: 9bdb69c685 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ - ううううううううううううう！！！！！！！しんじゃう！！！大好きです！！ありがとうございます！！ (2022年3月22日 15時) (レス) @page50 id: 8a217b576f (このIDを非表示/違反報告)
レイ - えrいけどシッマかわえぇぇぇぇ！！！！！！！！！！！ (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 最高かよぉ〜〜〜 (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶
| 作成日時：2020年4月2日 21時
