隣人さん ２ ページ2
「…ちゃうな」
何が気に食わなかったのか、目の前の料理を口に含み何回か咀嚼し終えた彼はそう口にした。
デミグラスソースがけオムライス。
美味しそうだけど。
「今日は何がダメだったの？」
カルボナーラをフォークでクルクル巻きながら首を傾げれば、うーんと彼は唸り出す。
もう決まり文句かのように放たれるこのセリフ。
彼は自分は食に厳しいと公言しているが、鮭を食わせとけば大半は満足する彼が食に厳しいとは思えない。
「食えば分かる。ん」
そんなことを考えていたら差し出されたスプーン。
スプーンと彼を交互に見て「え、え？」と言えば。
「はよ食えや」
怪訝そうに眉をしかめたコネシマくん。
いやだってあなた、ナチュラルに関節キスですけど。
…そんな意識持たれてないか。
ガサツな男と名高いコネシマくんだ、いちいちこんな事気にする人じゃない。
内心バクバク鳴っている心臓を押さえつけながら、パクッと食べてみた。
関節キスもそうだが、これはあーんなのでは。
乙女心揺さぶられるはずの行為なのに全く色気がないのは何故だ。
原因は目の前の奴のせいである。
「な？やっぱりケチャップやろ？」
「まだ何も言ってないんだけど」
勝手に決め付けられた感想曰く、彼はオムライスはケチャップ派らしい。
じゃあなぜそちらを注文しなかったのだ。
そんな思いをぐっと飲み込み、脳内にコネシマくんの好みを記録する。
「普通に美味しいと思うけどなぁ」
「いや美味いは美味いねん。けどちゃうねん、分かる？」
「さーてデザートデザート」
「お前なぁ…」
メニュー表を手に取りデザート欄を広げる。
美味しそうなアイスやパンケーキなどが一面に広がっていて。
うーむ、どれにしよう。
「奢られる気満々やろ」
「え、奢ってくれるんじゃないの」
「当たり前かのように言うなボケ」
「残業頑張った私へのご褒美だと思ってついてきたんですけど」
「それやそれ。お前そろそろかわすスキル身につけなアカンよ」
仕事のことを言っているのだろう。
頼まれた仕事を律儀にこなすことはいい事だ、けど無理して請け負うことは無い。
何度も何度もコネシマくんはそう言ってくれていた。
けど未だにその助言を右から左に受け流している私。
分かってる、彼の優しさからそう言ってくれてるのは。
「でも…ほら、断ると後々面倒くさそうだから」
「…」
この先もこの考えは変わることは無いだろう。
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ろぜ - 軽い気持ちで読んだら大好きになりました！！にやにやが止まりませんね。これからも頑張って下さい！ (6月23日 17時) (
レス) @page50 id: 3f33f1430a (このIDを非表示/違反報告)
ななし - この話すごく大好きです！読んでいてきゅんきゅんしました！これからも頑張ってください！！ (2022年12月12日 19時) (レス) @page50 id: 9bdb69c685 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ - ううううううううううううう！！！！！！！しんじゃう！！！大好きです！！ありがとうございます！！ (2022年3月22日 15時) (レス) @page50 id: 8a217b576f (このIDを非表示/違反報告)
レイ - えrいけどシッマかわえぇぇぇぇ！！！！！！！！！！！ (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 最高かよぉ〜〜〜 (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶
| 作成日時：2020年4月2日 21時
