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アサガオの花言葉 22 ページ22

また騒ぎ出したので男の耳を引っ張りながら路地裏へ。


「え?何?気変わった?んだよーしゃーねぇなー」


「バカ!ちょっとホントやめて!!」


パンツごと下ろそうとし出すので慌てて止める。

無理やり手をガシッと掴めば彼は目を見開いた。


「…水商売って訳じゃねぇのか?随分指先が硬ぇな」


「な、なによ」


「お前楽器やってるだろ」


そっと手を離すと、今度は男が私の手を掴む番だった。

指先を触られ、ピクっと反応してしまう。


「…なに?今ので感じてんの?」


「ち、ちが」


だって…あまりにもその触り方が


晋助と似ていたから。



焦って振り払い、慌てて距離をとる。

こんなやつに構ってる暇はないと我に返り、振り返って歩き出そうとする。


「名前なんちゅーの?俺も教えてやるから教えてや」


「は?言うわけないでしょ!」


「じゃあ、俺は銀時。坂田銀時な、覚えとけよ〜」


ダラッとした声が路地裏に響き消えていった。

その声を後ろにまた江戸の街へ踏み出す。

…何だったんだろう、あの男は。



「おい」


「キャァ!!…っあ、晋助…」


しばらく歩き回っていると急に手首を掴まれた。

驚いて悲鳴を上げると、怪訝な顔で立っていたのは晋助で。


「どこ歩き回ってんだアホ」


「ご、ごめんなさい…」


「もう帰るぞ」


自然に繋がれた手。

絡められた手は、もう離さないと言わんばかりに固く結ばれる。

安心すると同時に加速していく胸の音。

痛いほど締め付けられた私は、自分からも強く握り晋助から離れないように歩いたのだった。





帰ってきた頃にはもう日は沈み、月がぼんやりと夜闇に浮かんでいた。

夜飯を食べ終わり、その月を遠い目で見つめる。



_____なに?今ので感じてんの?



今日出会ったあの男の声が頭にこびり付いて消えない。

あの深くて低い、人を惑わすような声が。

しかしどこか芯が通っていて、囚われてしまいたいと思わせる音色。

…ほんと、そういうとこも晋助に似ている。

確かあの男の名は銀時といった。

もう会うことは無いと分かっていても、その顔や声や名前を忘れることは無いだろうとどこかで思ってしまった。


突然、強く障子が開けられた。

開けたのは晋助で。


「来い」


近寄ってきた晋助に手首を掴まれ、無理やり布団に寝かされる。

そのまま晋助は押し倒すように覆い被さると、まだ風呂に入っていない私の鎖骨に顔を埋めた。


「…知らねぇ匂いがすんなぁ、あ?」

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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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お茶(プロフ) - チノちゃんさん» ひゃぁぁありがとうございますうう泣 (2020年7月20日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
チノちゃん(プロフ) - 凄く良かったよぉぉぉぉお (2020年7月20日 1時) (レス) id: 5e7e485832 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - きょこさん» わぁぁありがとうございました泣泣 本当に嬉しいです、、、!! (2020年6月28日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
きょこ - 高杉〜!!!かっこよすぎる!おもしろかったです。もっともっと読みたい…キュンキュンしまくりでした。ありがとう^_^ (2020年6月28日 17時) (レス) id: 5129d38d73 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みきゃんさん» 了解しました!この作品の番外編をいずれ作ろうと思いますm(_ _)m (2020年6月19日 18時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2020年3月6日 13時

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