検索窓
今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:64,793 hit

ハッピーエンド34 ページ34

「いや〜まさか総悟に彼女ができるとはな〜」


ここは、真選組の屯所である。

来て欲しいと総悟くんに言われ、やってきた次第だ。

通されたのは客間で、隣には総悟くんが座り、私の目の前には局長の近藤勲が豪快に笑っている。

ホクホクと嬉しそうに頬を染め、綺麗な真白の歯を見せた。


「これからも、総悟をよろしくお願いしますね!」


「は、はい!こちらこそです!」


よく街で見かけるが、こうして話すのは初めてだ。

きっと総悟くんの彼女じゃなければ、この人と話すことなんて一生なかった。

にしても、とても父性の強い人だ。

体格もそうだが、強くそして優しい話し方や、総悟くんを息子のように思っている姿がよりそう思わせる。

寛大な心を持ち、誰よりもお人好しと聞く。

少し話してみて、なるほどと思った。

噂の近藤勲は、流行り噂通りいい人だったんだなぁ…。


「総悟、少しAさんと二人で話がしたい、席外せるか?」


すると、先程までニコニコと愛想のいい笑顔をしていた近藤さんが、急に真顔になった。

ふ、二人!?私と!?

動揺が隠しきれない。

ガッと隣の総悟くんを見れば、いつもと変わらない表情で既に立ち上がっていた。


「そこら辺のマヨというマヨを撲滅してきまさァ。さすがにホットドッグにはケチャップでィ…あのクソ野郎一生許さねぇ」


きっと土方さんに何かやられたんだろう。

ハハハッと苦笑いすれば、総悟くんは私を見た。

そして微笑すると、近藤さんに小さく頭を下げ出て行ってしまった。

や、やばい…初対面の人と二人っきりになるなんて。

しかもご指名ありきの二人っきりだ。


「Aさん」


「ひゃ、ひゃい!!」


優しい声で呼ばれたのにも関わらず、大きな返事をしてしまった。

すると、彼は柔らかく笑ってくれた。


「総悟から少しだけ話は聞いてたんですよ、甘味所にいる年上の女性が気になると」


それは、まるで我が子の自慢話を聞いた父親の様な表情。

誇らしく、そして少し寂しそうな声音に、心臓がチクッとする。


「昔っから自分のことは何にも話してくれねぇ総悟が、初めて自分から言ったんですよ。そりゃ嬉しくて嬉しくて」


「そ、そうだったんですか…」


「…でね、Aさん。一つお願いがあるんです」


圧をかけないように、ふんわり表情を崩す近藤さん。

ゴクリと息を飲むと、彼は真剣な眼差しで口を開いた。


「アイツから離れねぇでやってください。どうか、受け止めてやってください」

ハッピーエンド35→←ハッピーエンド33



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (84 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
125人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 夢小説
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

お茶(プロフ) - アクヤさん» 素敵なコメントありがとうございます!頑張ります泣 (2019年11月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:お茶 | 作成日時:2019年9月1日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。