ハッピーエンド26 ページ26
「A、この人と知り合いなの?」
男が口を挟む。
「う、うん…ただの知り合い」
強調して言われた、「知り合い」という言葉。
自分でしでかした過ちは、今になって自身の首を絞めた。
いや、んなもん俺にゃ関係ないねィ。
もう自分の欲のままに生きてやる。
掴んだ手首をそっと離し、彼女と真正面に向き合う。
「すいやせんAさん、十八のガキは大人しく身を引くこと出来なかったみたいでさァ」
「じゅ、十八!?え!?それ沖田さんの年齢ですか!?私より歳下!!??」
俺の歳を聞いて動揺するAさん。
あり、言ってなかったっけか。
顔を赤く染め驚く表情を見て、クスッと笑ってしまう。
なんですかィ、その間抜けな顔。
「あのさ」
すると、男が口を開いた。
「Aの何なのか知らないけど、そしてなんで俺らの関係知ってるか分かんねぇけど、あんたに関係ないよな?急に出てきでなんなんだよ」
「すいやせん、空気読めねぇクソガキなもんで」
俺より少し身長が高い男は、ずいっと前に出てくる。
威嚇してんのか目を鋭くさせ、Aさんの肩に手を置き俺とAさんの距離を無理やり空けた。
混乱しているのか、目を回すAさん。
だが。
俺は瞬時に殺気を纏った。
二人は目を見開き、固まる。
まずいと思ったのか、男はAの肩から手を離す。
俺は力をフッと抜き、Aさんに声をかける。
「二人で話がしてぇんですけど、今ダメですかィ」
「あ、え、っと…だ、大丈夫です」
気まずそうに返事をしたAさん。
すると、すぐに男は焦りだした。
「おいA!話はまだ終わってな」
「ごめん!春樹さん…。ちょっと行ってくるね。話の続きは後日、ね」
食い気味に春樹と呼んだ男にそう言うと、Aさんは俺と目を合わせた。
「…行きましょう」
目は疑いと不安の色。
疑心暗鬼になりながらも、Aさんは俺と一緒に歩いてくれた。
☕
〜Aside〜
小一時間前。
春樹さんが私の職場に来て、仕事が終わるまで待ってくれた。
エプロンを畳み、動揺を隠せないまま彼の元へ。
「お疲れ。ちょっと歩きながら話そうか、ごめんね疲れてるかもなのに」
「ううん、大丈夫。分かった」
まだ警戒心が解けない私の笑顔は、きっと引きつっている。
そう自分でも感じながらも、彼と江戸の夜道を歩き始めた。
「仕事、どう?」
「楽しいよ。田中さんもお客さんも優しいし」
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お茶(プロフ) - アクヤさん» 素敵なコメントありがとうございます!頑張ります泣 (2019年11月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2019年9月1日 1時