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ハッピーエンド20 ページ20

いつの間にか眠っていたのだろうか。

上半身を起き上がらせ時刻を見れば、夕方の五時。

ソファ近くのテーブルに、スポーツドリンクと風邪薬が置いてあった。

沖田さんが買ってきてくれたのだろう。

彼が掛け布団代わりに貸してくれた隊服を畳む。

…だいぶ具合良くなったなぁ。

沖田さん、どこにいるんだろう。

キョロキョロと辺りを見渡しても、姿はない。

熱が下がり、ようやく冷静になった頭が正常に動き出す。

…なんで、銀さんに任せないで自ら世話を焼いてくれたのだろうか。

本当に何を考えているか分からない…。


「ふぁぁ…あ、起きやしたか」


そう考えていたら、ドアから欠伸をしながら沖田さんが現れた。

どこにいたんだこの人。


「ありがとうございました。沖田さんのおかげで少し良くなりました」


「そいつぁ良かったでさァ」


軽い、三日前のデートと同じような会話。

渡される言葉のバトンは、すんなり受け入れられる。

その、はずなのに。

心のどのかで、彼に対する複雑な気持ちが拭えない。

どうしても思い出されてしまうのは、あの日の夜。

本物の殺意というものを、肌で痛感したあの日の夜。

忘れられることが出来ないでいた。


「…あの、ここ最近どうしていらっしゃらなかったんですか」


ポロッと、口から出ていた。

あまりに素直な疑問をどストレートに言ってしまったので、自分でもビックリする。

待って、聞いてよかったのこれ。

すると彼は、瞼を座らせ首を鳴らす。

その動作にビクッとしてしまった。


「Aさん、今から聞く質問に対して嘘つかねぇって約束してくれますかィ」


諦めたような声音。

な、なに…。

とりあえず頷く。

すると、彼は少し悲しげに笑った。


「あんた、俺が怖いでしょう」


一瞬、呼吸を止めてしまった。

質問に答えようとするが、声が出ない。

…図星だから、なのか。

自分が分からなくなり、酷く混乱し始める。

でも確かに、私が彼に抱いたのは恐怖心だった。

結局、何も答えることが出来ずただただ彼の瞳を見つめていた。

そんな私に追い打ちをかけるかのように、歩いてくる沖田さん。


「攘夷浪士と出くわしたあの夜、Aさんの目の色は恐怖で染まっちまっていた」


ドクン、ドクン、と胸が激しくうつ。

冷や汗が、額を流れた。


「それにあんた、俺のこと好きだろィ」


「…え?」

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お茶(プロフ) - アクヤさん» 素敵なコメントありがとうございます!頑張ります泣 (2019年11月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年9月1日 1時

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