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ハッピーエンド17 ページ17

デートから三日。

あれから、沖田さんは甘味所にまだ来ていない。

メールも電話も、何一つない。

かと言って、自分からする勇気もない。

ウジウジしていたら、三日も経っていた。


「今日は総一郎くんいねぇの?」


団子を頬張りながら、銀さんが声をかけてくれる。

けど、なんて答えればいいか分からず、苦笑いしかできなかった。

その異変に気づいたのか、急に立ち上がる銀さん。

そして、私の手首をガシッと掴んだ。


「っえ!?」


「あー…。なんかあった?」


ビックリし、思わず大きい声を出せば、ローなテンションでそう尋ねてくる銀さん。

お盆を持ったまま固まって何も言えない私。


「いやぁ、一目惚れした女が別の男に悩まされてるとか嫌じゃん?言ってくれねぇかなーって、ちょっと思ったり」


軽く「一目惚れした女」なんて言い退ける彼に、顔が赤くなる。

な、何を急に…!!

思わず目を逸らせば、彼は余計に詰め寄ってきて。


「傷ついたりしたか?」


「そ、そんな…!傷ついてなんてないです!」


「ここ最近、ずっと上の空だぜAちゃん」


言われて気づく。

上の空…。

田中さんに生返事を何度したか、思い返してみれば酷いものだった。

けど田中さんは優しく「疲れてるなら無理しないでいいから」と言ってくれて。

そんな彼女に謝った回数も、なかなか酷いものだった。

沖田さんが甘味所に来ないってだけで、こんなに憂鬱になるなんて。

情けない。

仕事とプライベートはしっかり区切りをつけないといけないのに。

頭では分かっているのに。

こうして銀さんに心配してもらっている時も、頭では沖田さんでいっぱいだった。

あの夜、私が沖田さんに対して怯えた態度をとってしまったのが原因なんじゃないかと思い始めている。

目の前で倒れていく攘夷浪士。

戦闘態勢に入った時の、凍った沖田さんの瞳。

あの冷たい空気が、まだ肌に残っている。

怖かった、とっても。

あの沖田さんは、甘味所に来てくれる沖田さんじゃない。

真選組の沖田さんだった。


「Aちゃん…?」


掴んだ手をそっと離し、考え込み始めた私にハテナを浮かべる銀さん。

その声にハッとなり、私はペコリと頭を下げ厨房へと逃げた。


「あらあらAさん、ちょっと休んだら?」


「へ?」


細かい和菓子を作っていた田中さんが、手を止めてまで私を見る。


「顔色、悪いわよ?」

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お茶(プロフ) - アクヤさん» 素敵なコメントありがとうございます!頑張ります泣 (2019年11月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年9月1日 1時

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