検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:25,405 hit

箱庭の海47 ページ47

「あ、そうだ。日曜日ちゃんと空けてくれてる?」


思い出したかのように俺を見ると、そう質問してきたA。


「当たり前だっつの」


二ッと笑うと、彼女は可愛らしい笑顔を作った。


「よかった。じゃあ、朝の9時に駅前集合ね!」


「りょーかい」





朝の9時。

日曜日の、朝の9時。


「…あれ、なんで俺まだ家にいんの」


寝坊した。

急いでAに電話する。

冷や汗が止まらない。

やべえやべえやべえやべえ!!


「もしもし?」


柔らかいAの声に一瞬安堵するが、この後なんて言おうか躊躇う。


「あ、っと…あの」


言葉を詰まらせ、素直に「寝坊した」と言えない。

すると、スマホからクスクスと笑い声が聞こえた。


「っふふ」


「A…」


「早く来い」


「承知しました」


殺られる。

電話を切り速攻支度をすます。

顔を洗い歯を磨き髪をセット。

着替えてバックを持って。


「い、行ってきます!!!」




「汗すごいね」


集合場所の駅に20分遅れて到着。

狂気に満ち溢れた笑顔のAが、ハンカチで俺の額を拭く。

膝についた両手。

息が上がって顔を上げられない。


「わ、わりぃ…まじ、で…」


「目覚ましかけたの?何で寝坊したの?ねぇ前から約束してたよね?ねえ?」


「すんません…ほんっと反省してるんで」


「じゃあ」


そっと顔を上げAの顔を確認すると、今度は優しく笑っていた。


「反省してるなら、今日は最高のデートにして」


「…おう」


息を整え、俺はAの手を握った。

Aも握り返してくれて、デートという実感が湧く。


「今日、可愛いな」


「機嫌取り?そうだったら許さないよ」


「違ぇよ!本心だわ!!!」


素直に言えばこれだ。

でも本当に、今日のAはめちゃくちゃ可愛い。

普段しない化粧を薄くだが施し、ワンピースを着ていた。

大人っぽいというか…。

エッロい。


「今何考えてたの」


「バッ!べっ、別にぃ??」


「なーんか怪しいなぁ…」


「なんもねぇっつの!!おら、行くぞ!!」


無理やり手を引っ張り、距離を縮める。


周りの男の視線は、Aに集まっていて。

俺は自慢げにAと肩を寄せる。

これ、俺の彼女だから。

俺のかんわいい、彼女だから。


「何ニヤニヤしてるの?」


「楽しみでニヤニヤしてます」


顔を覗いてきたAが愛おしくて。

ニヤケが止まらない。

箱庭の海48→←箱庭の海46



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (48 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
68人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 夢小説
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:お茶 | 作成日時:2019年4月10日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。