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「とんでもねぇな。」
一方、亞琉斗はシグレや豹と外にいる暗殺者の兄弟について調べていた
豹はシグレの頼みにより獣人の聴覚を発揮して聞き耳を立て外の会話を盗み聞きした
聞いた情報からシグレがPCで調べあげる作業
そのような業界のこととなると上に立つほどロックがかかっているもの
シグレの腕の見せ所である
「お前、ハッカーにでもなるのかよ。」
「その気になればなれるんじゃないの。」
立ちはだかる壁をスイスイと解いていく
辿り着いた情報に三人は顔を覗かせた
「罪、殺、狂…能力者…人造人間……？」
「おいおい名前まで現実離れしてやがんな…」
載っていたのは恐らく外にいるリーダーであり長男の罪を含めた奴らだろう
文面を見る限りかなりの強者がこの孤児院の庭にいる
「…なるほどな…」
「どうしたの？」
「さっき気配がするだけでもう一人の足音が聞こえなかった。能力に関しては本当だな。」
「重力……浮いてるってことかよ……」
重力能力者は狂、罪は雷であり殺は炎
協力し終えた豹は念を入れフゥリの元へ向かった
シグレは冷ややかな目で亞琉斗を見る
豹を呼んだのはシグレだがシグレを呼んだのは亞琉斗だ
シグレも亞琉斗を昔から好いていない
「王とか知らないけどフゥリさんには近づかないでよ、ボク達のお母さんを傷つけないで。」
おさげを揺らし立ち去ったシグレの背に亞琉斗は舌打ちした
すると間もなく扉が開き翼がスタスタとPC前まで来てUSBを抜き取る
亞琉斗と目線すら交わさぬまま自室へと戻って行った
「随分早い帰りだな精。」
「珍しいね、此処に君がいるの。」
昼にしては薄暗い部屋
淡い照明に照らされる男はグラスを傾ける
精は距離を空けた場所に座り明るい色のカクテルを注いだ
「お楽しみの後でしょ、血なまぐさいよ。」
「相手してやろうか。これからシャワーに行くが。」
「嫉って特殊プレイ所じゃすまなそうだからやだ。」
嫉がゆっくり味わっている間、精は二杯目を注ぐ
「今日もね、アイツに会ったよ。」
また愚痴だろうと始まった精の話に黙って耳を傾ける嫉
時折氷が心地のいい音で返事をする
「どうして俺や嫉、斬に絡むんだろう。黒龍のおかげでアイツらには俺の能力使えないし。ねぇ、余計に知りたくなっちゃうよね。」
「……。」
そうだろうか、嫉は心の中で呟いた
きっと精もそうは思っていない
ただ精は、楽しそうに笑っていた
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作者名：灰猫 | 作成日時：2016年12月7日 5時
