◆PROLOGUE−43◆ ページ48
身長177cmの男子生徒を軽々と姫抱きするなんて......わぁ、ちっからもち〜...
なんてふざけている場合ではなかった。
スペキャ状態から何とか立ち直ったはいいものの、混乱までは収まることがなく。
なんせ私は男性への免疫がないのだ。
前世じゃ彼氏なんてものもいなかったし、今世じゃお友達の一人たりとていなかった私はそもそも、男性との距離感が前世の桃原鈴と同様なのである。
だから、急にこんなことをされると......
『っっっぎゃあああああああ!!!!!!!!』
完全にテンパる私。
初対面の時の様に学園長の顔を押しのけ、その腕から転がり落ちてそのまま図書室を飛び出した。
後ろから呼び止められたような気もするけど、今私の顔絶対真っ赤だし!!見られるわけにはいかんじゃん!!!?と全力疾走しながらあちらこちらへと走り回る。
顔が熱い...っ
走ってるせいか、さっきの熱が引かないせいかは最早わからない。
知らない男性だったならこうはならなかったかもしれないが、学園長は私が知るゲームキャラクターで、推しの一人!!
こんなね!女の子の憧れるシチュみたいなこと突然されたら困るんですよ!!!!!!!
『(マジで危ない!!油断なんかしてると、私勝手にこの世界の人に攻略されちゃいそうなんだけど。誰も得をしない乙女ゲーが始まってしまう!!!)』
唸れ、私の精神力!
イケメンに負けるな!!!
......気を奮い立たせたのもつかの間に、先ほどの学園長との距離の近さを思い出して自爆。
『あぁっ、もう!私の馬鹿ぁあああ!!!!!』
熱い頬に手をやりながら廊下を全力疾走。
...結局迷子になった末に、鏡舎に辿り着き寮の自室で休息をとることができたのは...
実に、日付が変わってから二時間後の深夜の事であった。
◆∞------------------∞◆
【翌朝・ポムフィオーレ寮自室にて】
「いつの間に戻ってきたんだい?朝目覚めれば君が式典服のままベッドに横になっているから驚いたじゃないか...葉っぱやらなんやらがくっついて、君だけ夜中に台風に襲われたのかと思ったよ」
「寮長がね、随分君を気にかけていた様子だったよ。結構遅い時間まで談話室で待っていたみたいだし、登校する前に顔を見せてきたら喜ぶかも......いや、ごめん。君を安心させたくてついた嘘なんだ。物凄くお怒りだったから、今顔を見せたらきっと八つ裂きにされるね」
入学初日にヴィル先輩にぶちギレられてる私、不憫すぎん?
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雨水(プロフ) - だれかさんさん» コメントありがとうございます〜!!今後様々な事件が起きるにつれてマブ達との絆も深まってまいります!もっと面白く読めるよう尽力してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします〜〜! (2021年12月12日 1時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
だれかさん - おもろくてすきです (2021年12月12日 1時) (レス) @page47 id: e7b132919e (このIDを非表示/違反報告)
雨水(プロフ) - kanameさん» ありがとうございますwww今後もギャグパート、それ以外でも面白いと思って頂けるように頑張ります!! (2021年12月6日 15時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - 唐突に「我がナ〇スの科学力はぁああ!」のやつ出てきて吹き出しましたwwwテンポ神すぎて笑いこらえれないwww最高ですwww (2021年12月6日 5時) (レス) @page18 id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
雨水(プロフ) - フランとベルさん» 大正解です!本来の台詞を一部変更し、エドに叫ばせてみましたw (2021年11月4日 13時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨水 | 作者ホームページ:http://hibiki
作成日時:2020年12月4日 2時