◆PROLOGUE−31◆ ページ36
ヤバい、と一言呟いたユウが肩を震わせながら真顔で凝視してくる。
...正直ちょっと怖いよ?目力凄いしさ。
やっぱりさっきので怖がらせちゃったりしたかな...
背中にひやりとした汗をかきながら顔を覗き込むと、突然ガッ!と顔を掴まれてびっくり仰天。
え、私何か怒らせるようなことでもしましたっけぇ!!?
ユウ「超絶イケメンじゃん...」
『っご、ごめん怖がらせるつもりは......って、いけ?...ッえ!?』
ユウ「おっと...ごめんなさい。あんまりにもタイプの顔だったから...思わず凝視してたみたいで」
謝りつつも凝視するのはやめないユウ。
...あぁ、なんか自分と同じ匂いを感じるなぁこの子。
腑に落ちる行動に苦笑いを零しながら、自分の顔を挟み込むユウの手をそっと剥がしにかかる。
いや、だって......初対面の女の子とこの状況...しかも学園長に見られながらっていうのはかなり恥ずかしいので...
『...面食い、なんだね』
ユウ「そうですね......?正直顔見た瞬間に、胸触られた怒りとか吹き飛んだし...寧ろラッキー、みたいな」
『あぁ...その節はどうも......』
すごすごと頭を下げた直後の一瞬、私、今何をしていたんだっけと思考が途切れた。
......いや、わかるよ?
元々私も女だし?イケメンを見ると思わず見入っちゃうのは分かるけども。
...でもこんな、面と向かって「イケメン」って言われると戸惑うじゃん???
しかも、穴が開きそうなくらいに無遠慮な凝視されるとは夢にも思わないじゃん...?
『...あ、意識飛んでた...えっと?俺の事、信じてくれたってことでよろしいか...?』
ユウ「.........え、待って?桃原 鈴って言いました??え???あの......天才ピアニストの...!?」
『...うん、知ってるにしてもさ。顔面に気取られすぎじゃない?名前言ってから多分もう数分経ってるよ???そんなに俺の顔にしか気持ちいかなかった???』
俺が救う主人公、先が思いやられるほど特殊な子みたいで滅茶苦茶先行き心配になってきたんだが。
・
気を取り直した後、私は改めて彼女に自己紹介をすることにした。
...今度は顔に気を取られぬよう、自分の顔の下半分を手で隠しながら。
『知ってるみたいだから詳細は省くけど...改めまして、桃原 鈴です。......天才って過剰に持て囃されてただけの、どこにでもいる普通のピアニスト』
...もう二度と、ピアノを弾くことはないだろうけどね。
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雨水(プロフ) - だれかさんさん» コメントありがとうございます〜!!今後様々な事件が起きるにつれてマブ達との絆も深まってまいります!もっと面白く読めるよう尽力してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします〜〜! (2021年12月12日 1時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
だれかさん - おもろくてすきです (2021年12月12日 1時) (レス) @page47 id: e7b132919e (このIDを非表示/違反報告)
雨水(プロフ) - kanameさん» ありがとうございますwww今後もギャグパート、それ以外でも面白いと思って頂けるように頑張ります!! (2021年12月6日 15時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - 唐突に「我がナ〇スの科学力はぁああ!」のやつ出てきて吹き出しましたwwwテンポ神すぎて笑いこらえれないwww最高ですwww (2021年12月6日 5時) (レス) @page18 id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
雨水(プロフ) - フランとベルさん» 大正解です!本来の台詞を一部変更し、エドに叫ばせてみましたw (2021年11月4日 13時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨水 | 作者ホームページ:http://hibiki
作成日時:2020年12月4日 2時