◆PROLOGUE−8◆「紛失ディレクション!」 ページ13
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『...』
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『...(やばくない...?)』
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◆数分後・廊下にて◆
『あんのカラスめ...!間違った道教えやがったな.........!!!』
学園長と別れて早数分。
言われた通りに廊下を進んだのに、目的の鏡の間へ私は一向に辿り着けないでいる。
それどころかよくわかんない廊下に出ちゃったし......やば、完全に迷子になったから最初のとこにすら戻れないや。
...どうするよこれ。
幾らなんでも、物語と全く関係ない場所で《方向音痴》のレッテルを貼られて有名になるのだけは避けたい。
しかし廊下を進めど進めど教えて貰ったような扉は見つからず、ため息をついた私はとうとうその場で立ち止まってしまった。
『あ゛〜......こんな無駄な時間があれば、友達の一人も作れたんじゃないの...』
さっきのは口頭で説明された通りに廊下曲がったんだから間違えるはずないじゃん。
どう考えても学園長の説明が間違っていたとしか思えない。
...あれ?そういえばさっき私、学園長と向かい合わせに立ってたよね?
つまりつまり?学園長が指をさしたのは本当は、右が左で左が......
.........はい、オワタ←
『...はぁ、どうしよこの後......』
途方に暮れながら窓の外を見やると、暑い夏を吹き飛ばすような秋風に揺られる林檎の木が目に入った。
夜だ......凄く静かな夜。
外は結構強い風が吹いているはずなのに、木の葉のさざめく音一つ聞こえないのはきっと、この校舎に《そういう》魔法が施されているためだろう。
これだけ静かなら耳をすませば、人が大勢いる場所が分かったりしないかな。
流石にそこまでチート級に耳がいいわけではないけど、どうせここから動けないのだから試すくらい...と膝を折る。
地面に顔をこすりつけるように耳をそばだてて、どこからか振動が伝わって来やしないかと集中し、目を閉じたその時。
確かに感じた振動と靴音に一縷の期待を込めて振り返ったことを後悔するまでには、恐らく一秒もかからなかったことだろう。
?「...ねぇ、何やってんのお前」
『ファッ!?』
予想外の事態に脳が混乱して動けなくなった私に向かって、その青年は腰に当てた手で気怠さを表しながらそう話しかけてきた。
思わずばねの様に跳ね上がった自分自身に驚きつつも、視線だけは決して逸らさない。
というより、逸らせなかったのだ。
...月明かりに照らされた赤髪が、あんまりにも美しくて。
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雨水(プロフ) - だれかさんさん» コメントありがとうございます〜!!今後様々な事件が起きるにつれてマブ達との絆も深まってまいります!もっと面白く読めるよう尽力してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします〜〜! (2021年12月12日 1時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
だれかさん - おもろくてすきです (2021年12月12日 1時) (レス) @page47 id: e7b132919e (このIDを非表示/違反報告)
雨水(プロフ) - kanameさん» ありがとうございますwww今後もギャグパート、それ以外でも面白いと思って頂けるように頑張ります!! (2021年12月6日 15時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - 唐突に「我がナ〇スの科学力はぁああ!」のやつ出てきて吹き出しましたwwwテンポ神すぎて笑いこらえれないwww最高ですwww (2021年12月6日 5時) (レス) @page18 id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
雨水(プロフ) - フランとベルさん» 大正解です!本来の台詞を一部変更し、エドに叫ばせてみましたw (2021年11月4日 13時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨水 | 作者ホームページ:http://hibiki
作成日時:2020年12月4日 2時