衝撃の出会い ページ6
*
携帯画面に映った緑のサイトに、懐かしさを覚える。50件を超える通知は華麗に無視して、新作はどういうコンセプトにしようか、自ジャンルのランキングを開く。
「んー、俺がいた時よりタイトルに捻りがないような気がする……」
タイトルからその内容を予測できるものがほとんどだ。たかだか半年でこんなにも読者の好みというのは変わってしまうのか。
とりあえずランキング1位の小説を見てみる。シンプルなCSSには好感が持てた。小説なのに動きが重いCSSは、それだけで読む気が失せる。
プロローグはまあ、微妙。可もなく不可もなく、特別興味を惹かれるわけでも読むのをやめたくなる程でもなく。
ただ。
「『またまた新作作っちゃいました〜、神様がわたくしにネタを授けてくださったのです！』……って作者コメントイタッ。ランキング1位っていうか、ただのヤバいやつじゃんか」
正直読む気を失くしたけど、そのまま読む。どうせ台本書きのイチャラブして終わり、って作品だろう。癪だが、パクり寸前になるくらいに雰囲気を寄せて、人気に便乗するつもりだった。
「おお……」
そいつの作品は予想以上だった。文章はしっかりしている。キャラの心情に飛躍もなく、微妙な伏線が心地よい。過度なキャラ崩壊があるわけでもなく、それでいて原作よりユーモラスにキャラが描かれている。
「なんだよ、占ツクの読者も捨てたもんじゃねえな、いい作品見つけてんじゃん」
作者変なやつだけど。まあ、特徴的な雰囲気があるわけでもないし、俺が似せて書いたとして以前の俺と同じような作品になるだろう。ランキング2位を見てみるか。
ところが。
「んー、もっと凝ったプロローグ書けねえの？ プロローグ凝ったら俺も売れるんじゃね？」
……
『ネタの神様がわたくしの脳内に授けてくださったネタ、またまた新作作っちゃいました〜！ 読み切りです〜♪』
「お前かよ！！！！！」
「浩樹うるさい！ 高校生にもなって部屋で叫ぶんじゃないよ！！」
お袋に怒られた。まあ、叫びたくなるような案件だ。なんでまたこいつなんだ。というかネタの神2回も降りるのかよ。ざっと見てランキング第3位へ。
『夢小説の女神様、楽しい設定を授けてくださりありがとうございます〜！』
「またお前かよ！」
せめて女神か神か統一しろよ！
こうして、俺とスマホの言い争い(俺から一方的)をこの後も数回。
なんとこの奇妙な作者の作品は、ランキングのベスト5を独占していた。
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かどけ氏(プロフ) - 河原美羽奈さん» そうなんですね笑 (2019年3月11日 4時) (
レス) id: bc69aa2553 (このIDを非表示/違反報告)
河原美羽奈(プロフ) - かどけ氏さん» ありがとうございます、正直休みきっちゃってだらけているので動き始めました(笑) (2019年3月10日 7時) (レス) id: 1e0898c908 (このIDを非表示/違反報告)
かどけ氏(プロフ) - お帰りなさい！受験大変ではありませんでしたか？無理せずゆっくり休んでくださいね(^^) (2019年3月9日 14時) (レス) id: bc69aa2553 (このIDを非表示/違反報告)
河原美羽奈(プロフ) - 紅葉さん» コメント返信できず申し訳ありませんでした、応援ありがとうございます。 (2019年3月9日 13時) (レス) id: 1e0898c908 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 受験おつかれさまです！そしておかえりなさい！ (2019年3月9日 11時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：河原美羽奈 | 作成日時：2018年12月26日 21時
