涙 ページ17
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お疲れさん。いつもと変わらない、男勝りで優しい、その喋り方。他の誰かも、同じように言ってくれていたけど。けど、彼女の言葉を見た瞬間、頬を、涙が伝った。その一滴が火種となったように、その後は涙が溢れて止まらなかった。
「そっか……。私、頑張ったんだよね……」
周りも同じくらい、いやそれ以上に頑張っていた。合格した子は、よく頑張ったね、努力が報われたねって、たくさんの人に祝福されて、ねぎらわれていた。
不合格だった私は、努力が報われなかった私は、周囲から腫れ物に触るような扱いをされていた。あの子は落ちちゃったから、高校の話はしちゃいけないよ。妙な気の遣われ方が、逆に苦しかった。
「そんなこと言ったって、落ちたじゃん」
そう、事実を突きつけられるのが怖くて、「私も頑張ったよ」って言えなかった。
でも今、きつねちゃんが、周りのみんなが、手放しに祝福してくれた。そのことが、単純なほど嬉しくて。
「私！ 頑張ったよ……でも落ちちゃったの、ほんとはすっごく、辛かったよ……」
あとからあとから溢れてくる涙を拭おうともせずに、子供みたいにいつまでも泣いていた。
ーーーーー
時を同じくして、慰めた側も泣いていた。
布団にくるまって、ティッシュを握りしめて、ぐずぐずと鼻を鳴らして。
桃賀が落ちたことが辛いんじゃない、去年同じような経験をして、それでも気丈に笑っていた友達を慰められなかったことを思い出して辛いんだ。そう、誰に聞かせるでもなく、自分を納得させるような言い訳をしながら。
「もっとまともなこと言えりゃいいのにな……Twitterで馴れ合いやってる女子みたいな上っ面の慰めでも、言わないよりはマシだろ……」
桃賀の方も、自分を肯定するようなセリフを期待していたはずだ。なのに俺の口から出てきたのは、乱雑な口調の労いだけ。それがどうしようもなく歯痒かった。
「あー!! もうやることなんて1つしかねえじゃねえか！ 待ってろ桃賀!!」
すっかり湿ってぐしゃぐしゃになったティッシュと、画面に落ちた涙と、蒸し暑くなった布団。歯痒い思いと一緒くたに、それら全てをぶっ飛ばす。
彼女の帰りを待っていたファンたちを、俺の作品でかっさらってやらなければ。そんな歪んだような、まっすぐな友情を胸に、彼はスマホに向かい、猛スピードで文章を打ち始めた。
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かどけ氏(プロフ) - 河原美羽奈さん» そうなんですね笑 (2019年3月11日 4時) (
レス) id: bc69aa2553 (このIDを非表示/違反報告)
河原美羽奈(プロフ) - かどけ氏さん» ありがとうございます、正直休みきっちゃってだらけているので動き始めました(笑) (2019年3月10日 7時) (レス) id: 1e0898c908 (このIDを非表示/違反報告)
かどけ氏(プロフ) - お帰りなさい！受験大変ではありませんでしたか？無理せずゆっくり休んでくださいね(^^) (2019年3月9日 14時) (レス) id: bc69aa2553 (このIDを非表示/違反報告)
河原美羽奈(プロフ) - 紅葉さん» コメント返信できず申し訳ありませんでした、応援ありがとうございます。 (2019年3月9日 13時) (レス) id: 1e0898c908 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 受験おつかれさまです！そしておかえりなさい！ (2019年3月9日 11時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：河原美羽奈 | 作成日時：2018年12月26日 21時
