一番 ページ20
冷蔵庫からビールを取り出そうとした私の背後から、
片手は私を抱き締めるようにビールを奪い取って。
A「きゃ！ちょっと！返してよ！」
チャンミン「最後の１本は俺の〜♪」
そう笑ってじゃれついてくる。
この距離感にはだいぶ慣れてきたけど。
ドキドキする胸の音は日増しに高まってる。
そんなこと、彼は気付かないよね・・・
反応を面白がることはあっても。
ほら、今だって。
私の顔をイタズラっぽくチラッと見て、またテレビの画面を向いて大声援を送ってる。
A「チャンミン君？電話鳴ってるよ？」
私の部屋のソファは彼の長身に占拠されてて、私はその下で彼の足に挟まれてる。
テレビでサッカーの国際試合が流れているから、彼はずっと釘づけで動こうとしない。
長く鳴る着信音にようやく面倒くさそうに目を向けると。
チャンミン「・・・・。」
一瞬で表情が真剣になった。
A「・・・どうしたの？」
チャンミン「・・・ちょっと電話に出てくる。
寝室借りるから。」
テレビでは、チャンミン君が見逃すはずがない韓国がＰＫのチャンスの決定的場面。
A「わ！入った〜！！喜」
嬉しくて思わず立ち上がった私は部屋に一人ぼっち。
チャンミン君・・・電話まだかな？
気になって、恐る恐る寝室に近づく。
奥からはチャンミン君が静かに話す声が聞こえていた。
チャンミン「・・うん、うん。
大丈夫だって。
おまえのことは、事務所の仲間みんな理解してるんだから。」
「ＰＫ、決まったよ！」それだけ言って、部屋から離れるつもりだった。
そうしたら、彼の笑顔が振り返る気がしたから。
チャンミン「俺が・・・側にいるから。
チエルのこと、俺が必ず守ってやる。」
覗いたりするんじゃなかった。
暗闇に浮かんだ彼の表情はとても切なくて。
私には向けたことない顔。
私の知らない顔したチャンミン君だった。
チャンミン「ごめん、急用ができた。
今日は帰るよ。」
A「・・・そう。」
帰り支度する彼を、まだ歓声のあがるテレビ画面から目を離さずに見送る。
私は一番じゃないことくらい分かってる。
バタン
それなのに・・・・
虚しい扉の閉まる音に、なぜか涙が零れた。
理不尽ーＣhangmin sideー→←嘘ーＣhangmin sideー
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なお(プロフ) - 環琉さん» こちらこそ、読んで頂きありがとうございました！ (2018年9月25日 21時) (
レス) id: 460cbb2093 (このIDを非表示/違反報告)
環琉(プロフ) - なおさんこんにちは。いつも素敵なお話ありがとうございます。 (2018年9月16日 11時) (レス) id: 3c1ded918f (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティ(プロフ) - こんばんは。一気に読ませて頂きました。今は亡き彼の墓前で「彼女を貰っていいですか？」って言うシーンには胸打たれました。チャンミンを良く理解しているギュのシーンも楽しかったです。最後は幸せな気持ちになりました。 (2017年6月8日 21時) (レス) id: 1eac5c6b24 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - なつさん» なっちゃーーん！元気？こちらは元気よ。仕事忙しいっす。相変わらず新作も書くことなく。でも暇だから（笑）見直して修正しちゃう。待たせる時間もドＳだからね。ちょっとずつ。苦しくなる、超重い話が書きたい。最近私病んでるからねw (2017年3月17日 22時) (レス) id: b5966abb7b (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - hakuさん» わー！すごく嬉しいです。コメント苦手なのに送ってくださってすごく励みになりました。最近更新ないですが、また現れたらこっそり遊びにきてくださいね。こちらこそいつもありがとうございます！ (2017年3月17日 22時) (レス) id: b5966abb7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なお
| 作者ホームページ：https://twitter.com/630HiTVXQ
作成日時：2014年6月5日 13時
